<神戸大サークル乱痴気騒動>「このクソったれが!」宴会場で小便、廊下には大便、体にトイレットペーパー巻いてゾンビごっこ…それでも大学生サークルを受け入れざるを得ない老舗旅館のせつなすぎる事情(2024年3月24日)

「これ、おしっこでしょ?」と問い詰めても「いや違う」

海水浴ブームで栄えた場所が今は観光客も臨海学校も来なくなり…

また、同県内で20年近く営業する、総合スポーツ施設を併設したビジネスホテルの代表も「トラブルを起こすのは決まって同好会(サークル)の子たちね」と肩を落とす。

「廊下や室内に穴を開けられたりすると、修繕費をいただいて業者を呼ぶしかないんだけど、壁のクロスの在庫がなかった場合なんかは、直すのにもかなり日数がかかってしまって…。

他にもテレビの液晶を割られたこともありますし、パンツ一丁でトイレットペーパーを体に巻いてゾンビみたいにして笑いながら廊下を歩いていた子もいたみたいです。大学生とはいえ、いい大人なんだから、もう少し節度を守ってほしいです」

しかし、そうした迷惑行為に悩まされながらも、大学生を受け入れざるをえない状況に立たされている宿泊施設もある。「BADBOYS」が宿泊した旅館のように、音楽ホールなどが併設された千葉県内の民宿の店主は、「彼らのおかげで営業を続けられている面もあって…」とため息をつく。

「ここら一帯は、もともと海水浴ブームで栄えた場所で、ウチも創業当時は音楽ホールなんてない、ただの民宿だった。それでも当時は都内からの海水浴客や、臨海学校に訪れた生徒たちで賑わっていたんだよ。だから昔は大学生のサークルが来ることなんてなかったし、ドンチャン騒ぎでも起こそうもんなら『おら、出てけ!』とすぐに追い出していたと思うね」

しかし、水難事故が多発したことで、海水浴ブームが下火になると、臨海学校を取りやめ、林間学校にシフトしていく学校も増えていったという。そんなときに「これからは音楽を売りにしよう」と思い、作ったのが音楽ホールだった。

「ピアノやドラム、ティンパニーといった持ち運びしづらい楽器も常備することで、吹奏楽部のほか、大学のバンドサークルの合宿所としても使われるようになり、なんとか今日まで続けてこられた。

もちろん彼らによるトラブルは尽きないし、去年なんて廊下でうんこしたヤツまでいて大変だったよ。それでも修繕費だけもらえたらいいかなって、ある程度割り切ってやっていくしかないんだよね」

「大学生の受け入れをお断りさせていただくことにしました」

都内近郊で”ダイビングサークルの聖地”との呼び声高いのが、伊豆諸島にある東京都大島町。夏になると、多くのダイビングサークルが合宿で訪れるというが、大島町で民宿を営む男性も「やっぱり大学のサークルを受け入れる側は大変だよね」と肩を落とす。

「ダイビングサークルの中には、いわゆる“飲みサー”も多くて。もちろん最初に『飲むのはいいけど、10時以降は声のトーンを下げてね』とか『ここでイッキはするな』とか『もし酒で倒れてもここには大した病院はないからね』と言ってるんだけど、トラブルは尽きません。

それこそ障子を破られたこともあるし、寝ゲロや寝グソをされたこともある。サークルに利用してもらえるのは助かるし、はっちゃけたい気持ちがあるのもわかるんだけどね…」

そのいっぽうで、近年はSNSなどの影響もあり、大島町にはサークルや部活の団体客だけではなく、サイクリングや登山目的で訪れる観光客も増加。そこで同町でビジネスホテルを営んでいる女性も、2020年にサークルの学生の受け入れをやめたという。

「一番の理由としてあるのが、ご近所迷惑ですね。大島という土地柄、これまでは部活動のほか、ダイビングサークルや、夜のコンパをメインにやる“飲みサー”も多く受け入れてきましたが、みんな朝までギャーギャー騒ぐ。

それこそ朝の4時や5時までうるさいので、ご近所に申し訳なかったし、ちょうどその頃に主人が倒れたということもあり、『もう大学生をさばく体力はない』ということで受け入れをお断りさせていただくことにしました。それでもなんとく経営はやっていけてますから」

時代とともに変わりゆくサークルの合宿事情。どうか今回の一件が歯止めになってほしいものだ。

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取材・文/集英社オンラインニュース班

 

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