「エホバの大会に児童を強制参加させないで」宗教2世ら自治体に要望(2024年3月22日『毎日新聞』)

エホバの証人の日本支部=神奈川県海老名市で2022年11月17日午前11時6分、藤田剛撮影

エホバの証人の日本支部=神奈川県海老名市で2022年11月17日午前11時6分、藤田剛撮影

 さまざまな宗教2世による団体「宗教2世問題ネットワーク」は22日、キリスト教新宗教エホバの証人」が4月以降に大会を開く32自治体に要望書を送付した。宗教2世の児童を大会に強制参加させないことなどを求めた。

 国の指針は、児童に対して就学や日常生活に支障が出るまでの宗教活動を強いることをネグレクト(育児放棄)とし、年齢に見合わない性的な表現を含んだ資料を見せることは性的虐待にあたるとしている。

 エホバの証人は信者を一堂に集めて教義を伝える大規模な大会を定期的に開催。ネットワークによると、2023年度は1カ所3日間の日程で全国42カ所で実施された。教団は事前に「3日間全てに出席できるよう、先生や雇い主に大会の日付を十分前もって知らせておくとよい」とした文書を信者向けに送信していた。

 教団は4月以降についても信者に同様の文書を送信しており、ネットワークは「信者である保護者の求めを拒むことは非常に困難であり、児童生徒の就学の権利が侵害される」と指摘。大会で使われる公共施設を管理する32自治体に対して、国の指針を周知することや、教団による虐待行為が起きないように対処することを要望した。

 エホバの証人日本支部は「全く根拠のない主張を引き続き繰り返していることを非常に残念に思う。大会に関する文書は出席を望む人がスケジュールを調整しやすくするために送られるもの。出席を指示したり強制したりするためのものではありません。大会の内容が児童虐待にあたると指摘された例はこれまでに全くありません」などとコメントした。【宮城裕也】

 

エホバの証人の元2世信者ら「教団の児童虐待防止を」 各自治体に要望書を送付(2024年3月22日『産経新聞』)

 

神奈川県海老名市にあるエホバの証人日本支部

宗教団体「エホバの証人」の元2世信者らでつくる団体「宗教2世問題ネットワーク」は22日、教団側が信者の子供に対し、集会出席のため学校を休むよう強要しているなどとして、児童虐待を防ぐよう求める要望書を、集会を開く予定のある各地の自治体宛てに送付した。

同団体によると、教団は例年、各地で大規模集会を実施。これまでに教団側が、信者の子供らに対し学校を休んで参加するよう求める文書を出したり、性的表現を含む映像を見せるなどの問題が確認されているという。

集会は今年も6月から全国のべ51カ所の公共施設などで開催予定。同団体は、教団による児童虐待行為を防ぐよう求める要望書を、施設のある各地の知事・市長宛てに送付。「自治体は宗教法人の児童虐待防止のため、積極的に動くべきだ」としている。

教団側は産経新聞の取材に対し「児童虐待に当たると指摘された例はこれまでに全くない」と反論している。