大学生にベンチの工夫点を説明する間野さん(左)
岡山聾(ろう)学校(岡山市中区土田)高等部で木工を選択する3年生2人が、環太平洋大(同市東区瀬戸町観音寺)に木製ベンチ2基を贈った。ものづくりの心構えを学ぶ授業の集大成として製作。リュックを背負ったまま座れるよう座面の幅を広げるなど、学生の声を生かして使いやすいデザインに仕上げた。
総合デザイン科の間野大太(だいた)さんと赤木珀音(はくね)さん=いずれも(18)。昨年6月に同大を訪れて次世代教育学部3年の高岡舜真さん、押部光起さん=いずれも(21)=から要望を聞いた。9月に模型を持参して再度意見交換を行い、今年2月に完成させた。
ベンチは、3人がけ▽安心して座れる▽シンプルな見た目―といった要望に応えるため、長さ160センチ、幅45センチ、高さ43センチのサイズにし、ヒノキやオークを使用。ねじを隠す四角い穴を開けて違う種類の木で埋め、アクセントにしている。
2月29日に同大でお披露目会があり、間野さんが出席。製作中の動画を見せながら工夫点やこだわりを発表した。高岡、押部さんは「座り心地が良く、みんなも使ってくれると思う」と感想を述べた。2基とも第1キャンパスに設置される。
自動車メーカーに就職する間野さんは「相手のニーズに応える難しさを学び、達成感でいっぱい。仕事にも生かしたい」と話した。
同科は2013年度から大原美術館(倉敷市)や後楽園(岡山市)など学外の施設に毎年ベンチを贈っている。