◆「本店がしっかりしないと支店はもたない」
「党全体の逆風もあり、かなり厳しい選挙であるということは承知している」
4月に行われる衆院3補選の一つ、島根1区補選を控えている島根県連の絲原徳康(いとはら・とくやす)幹事長は、会議後の報道陣の取材に硬い表情で語った。絲原氏自身にも有権者から直接、自民党に対する厳しい声が届いているという。
「地元で一生懸命頑張るが、やはり今の政治とカネの問題、ある程度(党本部で)結論を出してほしい」と訴えた。
6月に県議選がある沖縄県連の島袋大(だい)幹事長は「(自民党が)過半数を取るためには、お金の問題も含めて、しっかりと問いたださないと大変なことになるということは指摘させてもらった」と説明した。執行部には「地方(の県連)は会社で言えば支店みたいなもの。本店がしっかりとした道筋をつけないと、われわれ支店ももたない」と注文をつけた。
岸田文雄首相(党総裁)ら執行部からは「地方の声をしっかりくみ取りたい」といった回答があったという。
◆森元首相の地元・石川「まずは震災復興を」
和田内氏は本紙の取材に「政治とカネの問題はあるけれども、今は政治の力で被災された方に将来的な展望を与えてやることも大事だ。両方を追うよりも、まずは復興をいっそう力強くやってほしいという思いを述べさせていただいた」と話した。
森元首相本人による説明を求める声が、野党だけでなく自民党内からも挙がっていることについては、「このことでいつまで経っても収拾がつかないとすれば、国家にとっても国民にとっても不幸なこと。早く収拾できるような形でやることも大事なのかなという思いだ」と語った。
岸田首相は会議の冒頭あいさつで、「幹事長の皆さま方には、各地域で国民の厳しい声を受けとめていただき、心からお詫びを申しあげる」と謝罪。「政治は国民のもの。この原点をしっかり振り返りながら、日本のために努力していきたい」と語った。
◆ダンサー問題で鈴木貴子青年局長が「心からお詫び」
この日は、党青年部・青年局と女性局の合同全国大会も党本部であった。
自民党の青年部・青年局と女性局の合同全国大会であいさつする鈴木貴子青年局長。右は岸田首相=党本部で
12日付で藤原氏の後任に就いた鈴木貴子局長は「政治不信の回復に努めていただいている最中に、一連の事案で大変なご迷惑をおかけしていること、皆さんの思いを裏切っていることに、心からお詫び申し上げる」と陳謝した。
藤井一博局長代理が「青年局への期待を大きく裏切ることになってしまった。いま一度、政権を担う公党としての自覚と責任感を持ち、自らを律していかなければならない」などとする2024年の活動方針案を読み上げ、了承された。