街路樹食い荒らす危険なヤツ、東京都内で初めて確認 「見つけたら踏み付けて」在来種との見分け方は?(2024年3月14日『東京新聞』)

 
中央区内で見つかったツヤハダゴマダラカミキリ(東京都環境局提供)

中央区内で見つかったツヤハダゴマダラカミキリ(東京都環境局提供)

 昆虫のカミキリムシの一種で、昨年9月に特定外来生物に指定された「ツヤハダゴマダラカミキリ」が、東京都中央区内で発見されていたことが分かった。都内初とみられる。
 見つかった街路樹の周辺を区が調査したところ、幹の表面に、産卵痕や、幹の内側で育つ幼虫が出す「フラス」と呼ばれる木くずとふんの混合物、成虫が外に出てきた跡を示す脱出孔が確認された。上部が枯れた木もあった。今月末までに街路樹12本を伐採する。
 ツヤハダゴマダラカミキリは、中国大陸と朝鮮半島が原産。在来種のゴマダラカミキリと外見が似ていて、見分けが付きにくい。2002年に国内で初めて横浜市内で成育が確認され、防除された。
 
ツヤハダゴマダラカミキリ(右)と、在来種のゴマダラカミキリの見分け方(森林総合研究所発行「見つけよう!ツヤハダゴマダラカミキリ」より)

ツヤハダゴマダラカミキリ(右)と、在来種のゴマダラカミキリの見分け方(森林総合研究所発行「見つけよう!ツヤハダゴマダラカミキリ」より)

 20年以降、東京を含め宮城県から山口県までの14都県で発見報告が相次いでいる。ヤナギやアキニレ、カツラなどの広葉樹への食害が確認され、環境省は昨年9月、生態系に被害を及ぼす恐れがあるなどとして、特定外来生物に指定した。
 中央区内でツヤハダゴマダラカミキリが見つかったのは、昨年7月。区民からの情報提供を受けて、区が都環境局に個体を提出。専門家の鑑定でツヤハダゴマダラカミキリと判別した。

特定外来生物「見つけたら駆除を」

脱出痕(上部の穴)=東京都中央区で(中央区提供)

脱出痕(上部の穴)=東京都中央区で(中央区提供)

 成虫が出てくるのは4月から10月にかけて。中央区の担当者は「他にも生息している可能性がある」と話す。特定外来生物は原則、生きたまま持ち運ぶことができないため、区は見つけた場合、その場で踏み付けるなどして駆除するよう、ホームページなどで呼びかけている。(小形佳奈)