アカデミー賞に関する社説・コラム(2024年3月12日)

君たちはどう生きるか」が米アカデミー賞に輝いたスタジオジブリの中島清文副社長(中央)ら=(AP=共同)

 

アカデミー賞長編アニメーション賞の受賞発表の瞬間、喜びに沸くスタジオジブリのスタッフら=東京都小金井市

 

アカデミー賞 戦争と核兵器なくす力に(2024年3月12日『山形新聞』ー「社説」/『茨城新聞山陰中央新報佐賀新聞』-「論説」)

 

 映画は悲惨な歴史を変えることはできない。だが、未来に同じ過ちを起こさないよう、訴えることはできる。

 世界各地で戦闘が続き、核兵器使用に対する緊張感が高まる状況で開かれた第96回米アカデミー賞は、戦争と核に向き合った数多くの作品に贈られた。人々が抱いている危機感や平和への願いが、さまざまなかたちで伝わる機会になった。

 作品賞、監督賞など7部門で受賞した米映画「オッペンハイマー」は、第2次大戦中に、米国の原爆開発を主導した物理学者、ロバート・オッペンハイマーの伝記映画。日本初の視覚効果賞に輝いた「ゴジラ-1・0(マイナスワン)」は、終戦直後の日本にゴジラが襲来、原爆投下を思わせる熱線や黒い雨の描写がある。長編アニメーション賞に輝いた宮崎駿監督「君たちはどう生きるか」も、戦時中の日本で母を亡くした少年の物語だ。

 それだけではない。国際長編映画賞と音響賞を受賞した「関心領域」は、ホロコーストの現場となったアウシュビッツ強制収容所の隣で、平穏に暮らしていた所長一家の物語。長編ドキュメンタリー賞を受けた「マリウポリ20日間」は、ロシアのウクライナ侵攻直後、ウクライナ南東部の都市マリウポリに入ったAP通信の記者が現地の惨状を記録した映像だ。

 「マリウポリ20日間」の監督が壇上のスピーチで、ウクライナの歴史の中で初めてのオスカー受賞であることに言及しながら「絶対にマリウポリの人々が忘れられないでいてほしい」と笑顔も見せず語る言葉が、今回のアカデミー賞の雰囲気を象徴していた。

 さらに、授賞式会場では、平和を訴える無言の意思表示もあった。歌曲賞を受賞した歌手、ビリー・アイリッシュさん、助演男優賞にノミネートされた俳優、マーク・ラファロさんら複数が、パレスチナ自治区ガザでの即時停戦を訴える赤いピンバッジを胸元に着けて出席したのだ。

 この問題では、これまでハリウッドの監督や俳優から積極的な発言がほとんどなく、ユダヤ系の「大きな力」が取り沙汰されることがあった中で、こうした意思を表明したことに共感し、その勇気をたたえたい。

 ところで、今回のアカデミー賞の中心となった「オッペンハイマー」は日本未公開だ。米国をはじめ韓国や中国を含む世界60カ国以上で昨年7、8月に公開され、既に大ヒットしていることは、意外なほど伝えられていない。「原爆の父」と呼ばれたオッペンハイマーの栄光と挫折を描いた作品に対して、唯一の被爆国である日本の観客が複雑な心境になるのは確かだし、米国の配給元などが慎重な構えを取ることに一定の理解はできる。

 だが、もし、映画の作り手たちが作品の力を信じているならば、本来は日本で真っ先に公開されるべきだったのではないか。批判を恐れるあまり、見るチャンスを奪うのではなく、もっと観客を信じてほしい。

 授賞式後の記者会見で「ゴジラ-1・0」の山崎貴監督は「戦争と核兵器の象徴であるゴジラを何とか鎮めるという感覚を、今、世界は欲しているのではないか」と話した。29日にようやく日本公開される「オッペンハイマー」が、戦争と核兵器廃絶へ向けた新たな議論のきっかけとなることを願いたい。共同通信・立花珠樹)

 

アカデミー賞 日本の底力示したダブル受賞(2024年3月12日『読売新聞』-「社説」)

 米最大の映画の祭典で邦画が高い評価を受け、日本映画の歴史に新たな1ページを刻んだ。快挙を喜び、日本の文化芸術をさらに発展させていく契機としたい。

 第96回米アカデミー賞の授賞式が開かれ、宮崎駿監督の「君たちはどう生きるか」が長編アニメーション賞、山崎貴監督の「ゴジラ-1.0(マイナスワン)」が視覚効果賞をそれぞれ受賞した。

 日本のダブル受賞は2009年以来で、潜在力の高さを示した。アニメや特撮映画は、日本が時間をかけて育んできた分野だ。いずれも精巧で美しく、リアルな映像表現が評価されたのだろう。

 宮崎監督は、長く日本のアニメ界を背負ってきた巨匠で、03年にも「千と千尋の神隠し」で米アカデミー賞に輝いている。

 北米の配給会社は数年前から、過去の宮崎作品を全米各地の映画館で上映し、時間をかけてファンを開拓してきた。

 「君たちは」は、見る者に生き方を問うような哲学的な内容だ。「難解だ」という声もあったが、多くのファンに受け入れられ、北米でも週末興行収入1位を記録した。現地スタッフの地道な努力も栄誉につながったのだろう。

 一方、「ゴジラ」は1954年に日本でシリーズ第1作が公開された作品だ。CG(コンピューターグラフィックス)を駆使し、迫力満点の映像を作り上げた。米国の大作に比べて低予算ながら、創意工夫が随所に生きている。

 「君たちは」は伝統的な手描きの技術、「ゴジラ」は最新のCG技術を生かしたという点で、対照的である。いずれも日本映画を象徴する技法であり、今後もさらに質を高めてほしい。

 今回は、役所広司さん主演の「PERFECT DAYS」もノミネートされていた。受賞には至らなかったが、カンヌ国際映画祭で役所さんが男優賞を受けており、アニメや特撮以外でも、日本映画の存在感は大きい。

 日本の漫画も、世界中で愛されている。「ドラゴンボール」の作者、鳥山明さんの訃報には、各国から悲しみの声が上がった。仏AFP通信は、「日本の漫画とアニメの人気拡大に貢献した」と、その功績をたたえた。

 日本の文化芸術を今後も発展させるには、若手の活躍が欠かせない。しかし、制作現場の待遇改善や人材の育成は、あまり進んでいないとされる。国や業界は、世界を魅了する作品を作り続けられる環境の整備に取り組むべきだ。

 

オスカー2作が示す邦画の力(2024年3月12日『日本経済新聞』-「社説」)


 邦画の力を改めて示した2作品同時のオスカー受賞である。

 第96回米アカデミー賞で、宮崎駿監督の「君たちはどう生きるか」が長編アニメーション賞、山崎貴監督の「ゴジラ―1.0(マイナスワン)」が視覚効果賞に輝いた。栄誉をたたえたい。

 「君たちは」は宮崎監督が引退宣言を撤回し、7年かけて作り上げた。デジタル全盛の時代にあって手描きの繊細な表現にこだわり、主人公の少年の内面世界を丁寧に描き出した。宮崎監督は2003年の「千と千尋の神隠し」、14年の名誉賞に続く3度目のオスカーとなった。

 「ゴジラ」は終戦前後の日本が舞台。破壊される銀座などを緻密なCGで再現するとともに、立ち向かう復員兵らのヒューマンドラマを描く。ハリウッドなら巨額の費用をかけるビジュアルエフェクト(VFX)を、低予算で実現したことが話題となった。

 いずれも制作者のアイデアや技術の工夫、センスに光があたった受賞であろう。長年磨きをかけてきた日本のソフトパワーが世界水準にあることは疑いがない。これからも優れた作品が後に続くことを期待したい。

 他方で産業としての日本の映画界には課題も指摘される。資金が十分でないのに品質や制作本数への要求が高まり、若手スタッフは厳しい労働環境に置かれている。一部の著名クリエーター、定番のアニメシリーズが高い興行成績を残す半面、ミニシアターの衰退もあって作品の多様性がかつてより失われたとの声も根強い。

 独自作品を投入するネットフリックスなどの配信サービスとの競合もある。配信の拡大で劇場客が減る影響に加え、クリエーターの争奪戦も起きているという。

 コンテンツ産業は人材が最大の資源である。政府は日本発コンテンツを成長のエンジンに位置づける。お隣の韓国の急成長など国際競争も激しさを増す。スピード感と実効性を伴った支援策を打ちだしていきたい。

 

米アカデミー受賞 日本文化の価値を示した(2024年3月12日『産経新聞』-「主張」)

 快挙が相次いだ。世界最高峰の映画賞、米アカデミー賞を日本の2作品が受賞した。

 クールジャパンの代表格であるアニメーションと日本のお家芸ともいえる特撮映画である。その栄誉は、日本文化への高い評価でもある。受賞を祝うとともに、さらなる日本映画界の発展を期待したい。

 長編アニメーション賞に輝いた宮崎駿監督の「君たちはどう生きるか」は、戦時下の日本を舞台にした異世界冒険ファンタジーだ。自身「千と千尋の神隠し」以来21年ぶり、2度目の受賞である。平成25年に年齢を理由に引退を表明したが撤回し、約7年をかけて製作した。

 題名は吉野源三郎の小説から借り、自らの幼少期を映した半自伝的作品という。生と死が一体となった世界観は難解とされる一方で、深みがある。美しい映像とともに、単にエンターテインメントにとどまらないアニメの奥深さを示してみせた。

 日本映画初の視覚効果賞を受賞したのは山崎貴監督の「ゴジラ―1・0(マイナスワン)」だ。これまで「スター・ウォーズ」など画期的な特撮や優れたCG作品が受賞してきた賞で、山崎監督はVFX(視覚効果)技術の第一人者である。

 今回、高額予算で作る米映画に比べ、低予算が話題になったがそれだけではない。最新技術と日本古来のアナログ的で細やかな特撮手法がともに生かされた。そんな日本の技術が世界に認められたのである。

 実はこうした手作り感は両作品に共通する。コンピューターを駆使した3Dアニメ全盛の中で、宮崎作品の手描きアニメの芸術性は世界が認めるところだ。今回のダブル受賞は取りも直さず、職人的な手作業や古典的な手法を大事にしてきた日本の映画文化への賛辞ともいえるのではないか。

 先日「ドラゴンボール」などで知られる漫画家の鳥山明氏が亡くなった。68歳だった。世界を席巻する日本アニメブームの立役者の一人だが、宮崎作品の影響を受けたといわれる。

 文化芸術に定年はない。83歳の宮崎監督も戻ってきた。プロデューサーを務めた75歳の鈴木敏夫氏は受賞に際し「もっと働けというメッセージ」とコメントを寄せている。日本映画界のため、これからも元気で頑張ってもらいたい。

 

思春期にあった少年は母親とこんな「論争」をよくしていたそう…(2024年3月12日『東京新聞』-「筆洗」)

 思春期にあった少年は母親とこんな「論争」をよくしていたそうだ。母親はこう主張した。「人っていうのは愚かなものなんだよ」「仕方がないものなんだ」。欲やウソなど人にはどうしようもない部分があるという意味なのだろう

▼少年はうなずけなかった。人間の愚かさなど信じたくなかったか。「そんなことはない」と反論し、いつも言い合いになっていた

▼少年とは宮崎駿監督。宮崎監督の映画『君たちはどう生きるか』が米アカデミー賞の長編アニメーション賞に選ばれた。2度目の受賞。一度は引退を口にした監督が83歳にして今なお世界のトップランナーにいることを示した

▼冒頭のエピソードはかつてのインタビューからお借りしたが、受賞作の主人公「眞人(まひと)」と人の愚かさを信じたくなかった宮崎少年が重なってならない。ただし「眞人」の方は宮崎さんの母親寄りになっていく。人の弱さや愚かさを認め「悪意」さえ持っていることを受け入れた上でそこから先、「どう生きるか」を模索する存在なのだろう

▼正義か悪かの二元論に分かれ、対立しやすい時代にあって互いに手を取り合うことで、人の愚かさを埋め、乗り越えていこうと示唆しているとみた。その視座を対立に苦しみ、疲れる世界が評価したと信じる

▼「再生」の物語でもあった。となれば、宮崎さんの「次回作」をどうしたって期待してしまう。

 

米映画賞2冠 地域の活力にもつながる(2024年3月12日『信濃毎日新聞』-「社説」)


 松本市出身の山崎貴監督が撮った「ゴジラ―1・0(マイナスワン)」が、米アカデミー賞の視覚効果賞に選ばれた。アジアの作品で初めてという。

 宮崎駿監督の「君たちはどう生きるか」も長編アニメーション賞を受賞した。「千と千尋の神隠し」以来2度目である。

 米アカデミー賞は96回を数え、世界で最も権威ある映画賞とされる。山崎監督はもちろん、宮崎監督も「もののけ姫」など過去の作品で信州の風土に想を得てきたといわれている。ゆかりの2人の受賞を喜びたい。

 山崎監督は、幼少期に見た「スター・ウォーズ」「未知との遭遇」などのSF映画に衝撃を受け、特撮監督を志した。松本県ケ丘高校を卒業して東京で特撮技術を学び、「ALWAYS 三丁目の夕日」「永遠の0」などのヒット作を手がけた。2007年、第12回信毎選賞を受賞している。

 映画やアニメは「ソフトパワー」と呼ばれる。自国の文化や芸術を発信し、国際社会に共感を広げる力を意味する。日本の強みと語られるようにもなった。

 今年、第1作の公開70年を迎えるゴジラは、同じ1954年に米国がビキニ環礁で行った水爆実験をベースに生まれた。山崎監督は「そのことを思い出してもらうのが大きなミッションだった」と今作について語っている。

 作品に込められた歴史性を含め、日本発のものの見方が世界にどう受け止められていくか、注目していきたい。

 ソフトパワーは同時に、私たちの足元で埋もれた価値の再発見にもつながっている。

 受賞作のロケ地となった旧岡谷市役所庁舎は、戦前の36(昭和11)年に建てられた。古いタイル張り、赤瓦ぶきの寄棟屋根などが当時の雰囲気を今に伝え、戦後間もない時代設定に合う建物を探していた監督の目に留まった。

 「当時の建造物はなかなか残っていない。外観も内装も素晴らしい」とプロデューサーは言う。映画公開を機に昨年開かれた見学会では初めて中に入ったという市民もいて、地元の文化遺産にあらためて関心が集まった。

 仲介した諏訪圏フィルムコミッションは、ロケの誘致やエキストラ募集などでこれまでに1千件超の作品を支援してきた。作品の舞台を訪ねる「聖地巡礼」が定着し、海外ファンも訪れる。

 さまざまな人の交流を生み、足元への愛着や誇りを深めてくれる作品づくりに今後も期待したい。

 

特撮怪獣がつなぐ夢(2024年3月12日『山陽新聞』-「滴一滴」)

 今や「子ども向け」「子どもだまし」などと傍流扱いだった頃を思い出すのも難しい。日本映画界の花形、アニメと特撮怪獣が今年の米アカデミー賞で輝いた

▼プレゼンターが授賞作を読み上げ、会場が沸く瞬間は何度でも見たくなる。長編アニメーション賞に選ばれたのは宮崎駿監督の「君たちはどう生きるか」。視覚効果賞は山崎貴監督「ゴジラ―1・0」

ゴジラは他の候補作に比べて製作費が桁違いに少ないと事前から話題だった。戦闘機のセットを人力で動かすようなアナログな特撮と最新のデジタル技術を組み合わせ、あえて手作りの感触を残したという

▼この手法、山崎監督の得意技と言っていいのだろう。岡山市真庭市でロケした「ALWAYS 三丁目の夕日」シリーズでも昭和30年代の暮らしを細やかに再現していた

▼工作好きの小学生時代、クリスマスに希望通り画用紙とわら半紙を100枚ずつもらい「これで何でもできる」と小躍りした思い出や、担任の先生に「空想でも観察でも、好きなことをノートいっぱいに書いてごらん」と促された経験が創作の原点だそうだ

▼地元・長野県のPTA会報誌で語っている。「みんなが否定する中で『宝物』を認めてくれる大人がいたら、でかい」。そうして信じる道を進んだ人が、次の世代にもたらした夢も、飛び切りでかい。

 

君たちはどう生きるか(2024年3月12日『中国新聞』-「天風録」)

 生と死に思いが及ぶ、この日を選んだような吉報である。東日本大震災から13年のきのう、宮崎駿監督の映画「君たちはどう生きるか」が米アカデミー賞の長編アニメーション賞に輝いた―と知らせが届いた

アオサギに導かれ、幻の世界に迷い込む少年の冒険物語で英語の題は「少年とアオサギ」。邦題の趣はない。宣伝ポスターも、こちらではアオサギの大写し、あちらでは少年である。はて、何が、どう受けたのだろう

▲宮崎さんは作品にどんな思いを込めたのか。主題歌を任せた米津玄師(けんし)さんに語ったと聞く。〈この世は生きるに値する〉。生きづらさを抱え、暗闇をさまよう子どもたち。その足元を宮崎映画が照らしている

▲ただ、地球儀を回せば暗然たる思いに沈む。ウクライナパレスチナをはじめ、〈生〉が問答無用の暴力にさらされている。米国では、不都合な情報に目や耳をふさぎ、敵視する風潮ものさばり返る。日本だって対岸の火事を決め込んでいられない

アオサギは、青鷺と書く。「鳥」の上にある「路」は、神の降りる道らしい(白川静著「字通」)。人生の道について、人々に問いかけている役回りなのかもしれない。どう、生きますか。

 

ファンタジー(2024年3月12日『佐賀新聞』-「有明抄」)

 ファンタジーギリシャ語で「見えるようにする」という意味があるそうだ。頭の中にある空想や幻想の世界が文字や映像によって見えるように表現される。見た人はそれぞれに受け止め、いろんな解釈をする

宮崎駿監督の映画『君たちはどう生きるか』が米アカデミー賞の長編アニメーション賞に選ばれた。製作中にも公開中にも小欄で取り上げたが、内容については触れなかった。宮崎作品は簡潔に紹介するのは難しく、さしたる見識もないのに、あれこれと書いては「余計なお世話」と思われるだけである

◆2003年の『千と千尋の神隠し』以来2度目の受賞で、海外の人にも作品に込められたメッセージは届いた。日本人とは違った感覚で捉えた人もいるだろうが、多様に解釈できるのがファンタジー作品の魅力でもある

◆同じ空想の世界だが、よりリアルに、迫力のある映像で見えるようにした山崎貴監督の『ゴジラ-1・0(マイナスワン)』は視覚効果賞に輝いた。焦土と化した戦後の日本がゴジラの出現で、ゼロからマイナスに陥った危機を最先端のデジタル技術で表現した

◆心象を見えるようにしたファンタジーは、現実の世界に問いかけてくる。アニメと特撮、異なる手法で同時受賞を果たした二つの作品は何を問いかけているのか。快挙を祝して、広く深く感じてみたい。(知)