明石焼、こんなもん?市民食べるの「年1、2回」 500人調査(2024年3月9日『NHKニュース』)

明石名物の「明石焼」=兵庫県明石市で2024年3月6日、入江直樹撮影
明石名物の「明石焼」=兵庫県明石市で2024年3月6日、入江直樹撮影

 明石焼(玉子焼)は地元の誇りだが、食べるのは年1、2回――。兵庫県の明石観光協会明石市民約500人を対象にしたアンケート調査でこんな結果が出た。「たこ焼きに比べても地元での浸透はまだまだ途上。結果を踏まえて市外への情報発信のあり方の参考にしたい」としている。

 明石焼は、江戸時代後期が発祥とされるが、一般的になったのは大正時代に入ってから。卵や小麦粉の他に「じん粉」(小麦に含まれるでんぷん質)を加えて熱伝導率の高い銅鍋でふんわりと仕上げ、だしで食べる。世代を超えて地域で受け継がれる食文化を認定する文化庁の2021年度「100年フード」にも選ばれた。

 調査は23年10月、インターネットを通じて食べる頻度や食べ方、魅力などを尋ねた。20~69歳の男女計519人から回答を得た。86・4%の人が「地元の自慢や誇り」と思っている。一方、食べる頻度は「月1回以上」(13・2%)を「直近1年間は食べてない」(28・4%)が上回り、平均では年1、2回という結果になった。

 食べる場所などは「専門店」(75・3%)が大勢を占めたが「自宅で昼食として」(23・0%)や「自宅でおやつ・間食として」(21・6%)という意見も。年代別だと「昼食」が30~40代で割合が多かったのに対し「おやつ・間食」は50~60代で最多だった。家庭で作ったことがある人は47・8%と半数に届かなかったが、うち専用の銅鍋を使う人が23・4%いた。

 何に魅力を感じるかとの問いでは、複数回答で多い順に▽「だしの風味が効いている」(74・3%)▽「食感がふわふわしている」(58・3%)▽「とろとろしている」(50・2%)――など。昔ながらの「玉子焼」を名称に用いる人が今も18・8%おり、60代男性では33・3%に上った。

 観光協会は「実際に食べる割合は少ないイメージだが、専用の銅鍋を持ち、じん粉を混ぜて作る本格派も一定数いる。『たこパ』(たこ焼きパーティー)ならぬ『あかパ』で一層身近に感じてもらえれば」と期待を込める。【入江直樹】