自民党もう1つの“裏金スキーム”発覚で「茂木vs安倍派幹部」最終バトル勃発? 森喜朗元首相乱入の可能性も(2024年3月8日『日刊ゲンダイ』)

 
安倍派幹部の「離党論」をブチ上げたこともあるが…(自民党の茂木敏充幹事長)/(C)日刊ゲンダイ
安倍派幹部の「離党論」をブチ上げたこともあるが…(自民党茂木敏充幹事長)/(C)日刊ゲンダイ
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自民“もう1つの裏金スキーム” 茂木幹事長、棚橋元国家公安委員長「1.3億円」使途不明金の悪辣 自民・茂木幹事長に「不要論」…政倫審騒動で存在感ゼロ、「ポスト岸田」から完全脱落 自民・茂木幹事長、棚橋泰文氏の後援会 1.3億円使途不明…SNSでは《抜け穴ではななくマネロン》と大炎上

 自民党派閥パーティー裏金事件で、本来、党内調整に動くべき茂木幹事長のサボタージュが続いている。党所属議員へのアンケート調査も、裏金議員への聞き取りも森山総務会長に“丸投げ”状態だ。

 近々、裏金議員の処分を決定しなければならない立場だが、安倍派幹部から猛反発を食らうのは必至。最大の原因は、茂木氏自身が安倍・二階両派の裏金づくりとは別の“裏金スキーム”に手を染めていること。「茂木VS安倍派幹部」の処分をめぐる最終バトルが勃発しそうだ。

  ◇  ◇  ◇

 森山氏は裏金議員の処分について「(17日の)党大会までに一定の整理がつけば一番いい」と発言。岸田首相も「可能な限り早いタイミングで判断」と言っている。党大会を期限とするなら、11日(月曜日)からの週内に処分を決定する必要がある。

 焦点は、巨額の裏金をつくっていた安倍派の5人衆を含む幹部らの処分だ。浮上しているのは、事務総長経験者ら幹部の「3カ月以上、2年以下の党役職停止」や「選挙における非公認」という案だ。

「処分内容に関わる議論をリードするのは茂木さんです。現在、幹事長として、事件を受けた党則やガバナンスコードの改定についての議論を主導しています。処分を決定する党紀委員会の招集を要請できる権限も持っている。安倍派幹部の処分については、茂木さんの意向が強く反映されることになるでしょう」(官邸事情通)

アンタに処分されたくないと反発必至

茂木幹事長の“処分”を、安倍派幹部が黙って受け入れるとは思えない(C)日刊ゲンダイ
茂木幹事長の“処分”を、安倍派幹部が黙って受け入れるとは思えない(C)日刊ゲンダイ
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 ところが、茂木氏による安倍派幹部の処分は大モメ必至。ネックは、茂木氏自身が「キックバック不記載」とは別の“裏金スキーム”に手を染めていることだ。スキームの中身はこうだ。茂木氏は、政治資金の使途公開義務が厳格な「資金管理団体」から、公開義務の緩い「その他の政治団体」にカネを付け替え。2022年までの10年で約3億2000万円を「その他の政治団体」に移し、人件費を除く支出のうち90%以上が何に使ったのかチェックできない状態になっているのだ。この手口は法律違反ではないが、政治資金の専門家からは「事実上の裏金」「使途の隠蔽」といった指摘が上がっている。

 そんな脱法的な“裏金スキーム”を使っている茂木氏の処分を、安倍派幹部が黙って受け入れるとは思えない。「『アンタだって裏金づくりをやっているじゃないか』『オレたちを処分する資格はない』と反発を招くのは間違いない」(永田町関係者)

「安倍派幹部の反発があろうが、茂木さんは引かないでしょう。1月下旬には、5人衆の1人に『処分内容は皆さんが相談して決めることだ』と離党勧告をチラつかせた。岸田総理に事前に相談もせず、勝手に安倍派幹部の『離党論』をブチ上げたのです。これに、5人衆の“後見人”である森元首相が猛抗議。離党論は立ち消えましたが、処分の段階で茂木さんは改めて安倍派幹部に厳しく臨むのではないか。安倍派幹部側も茂木さんのスタンドプレーを根に持っていますから、徹底的に抵抗するでしょう」(前出の官邸事情通)

 また森元首相がしゃしゃり出てくるのか。醜悪なバトルを見せつけられる国民はたまったものじゃない。