中国全人代に関する社説・コラム(2024年3月6日)

中国全人代開幕 習体制の強権統治懸念(2024年3月6日『北海道新聞』-「社説」)
 中国の国会に当たる全国人民代表大会全人代)が開幕した。
 李強首相は就任後初の政府活動報告で、2024年の国内総生産GDP)の成長率目標を5.0%前後に設定した。鈍化するとの見方が多い中、23年と同水準だ。
 不動産不況が長引き、景気に悪影響を与えている。世界経済のリスク要因にもなっている。
 李氏は積極的な財政政策で景気を下支えするとしたが、不動産問題の対処が緩慢ではないか。
 他方、国防予算は前年比7.2%増とした。伸び率は前年と同じで、成長率目標を上回った。
 経済が低迷する中でも軍備拡大を重視する姿勢が明確だ。周辺国の警戒感を強めるばかりである。
 習近平体制は国内の不満を力で抑え込みつつ、対外的な強硬路線で関心をそらそうとしているように見える。強権統治が進んでいることを憂慮せざるを得ない。
 習指導部は27年の「建軍100年奮闘目標」を掲げて「世界一流の軍隊建設」を進めている。
 李氏は報告で「中国は覇権に反対し、国際的な公平や正義を守る」と主張した。
 米国をけん制する態度がうかがえる。だが、覇権主義的な動きで既存の国際秩序に挑戦しているのは中国だ。ウクライナに侵攻したロシアと共に、世界をいっそう不安定にしている。
 米国との対立を抑制し、国際協調を求めることこそが必要だ。
 李氏は台湾に関して、独立の動きと外部からの干渉に断固反対するとし、中台関係の平和的発展を促して「揺るぐことなく祖国統一の大業を推進する」とした。
 中国は5月に台湾総統に就任する頼清徳氏を独立派とみなし、揺さぶりを強めている。
 威圧的な態度を抑え、新総統の呼びかける対話に応じるべきだ。
 昨年の全人代で異例の3期目に入った習国家主席は、社会の統制を強化して異論を封殺し、少数民族や宗教への弾圧を強めている。対外的にも情報をコントロールし、秘密主義を貫こうとする。
 恒例だった全人代最終日の首相による記者会見の取りやめは、その一環ではないか。会見は中国の政治を対外的に発表する数少ない機会で、改革開放時代から開かれた中国をアピールする場だった。
 「習1強」下で首相権限が縮小していることや、低迷する経済に関する質問を避ける狙いだとの見方もある。習氏は透明性を欠くほど国際社会の不信感が高まることを忘れてはならない。

統制強化 市場の不信増す/中国の全人代開幕(2024年3月6日『東奥日報』-「時論』/『山形新聞』ー「社説」/『茨城新聞山陰中央新報佐賀新聞』-「論説」)


 中国の通常国会にあたる全国人民代表大会全人代=国会)が開幕し、李強首相は、政府活動報告で、経済は総じて持ち直したと総括した上で、前年同様に5%前後の成長率目標を設定した。

 だが、中国は外国企業が安心して投資できる環境にあるのか、本当に経済は回復したのか、疑念が拭えない。

 中国では深刻な不動産不況にある。「家は住むためのもので投機のためではない」という習近平国家主席の発言に端を発した不動産投資規制を受けて大手不動産企業が多数経営危機に陥った。

 李首相は「不動産政策を改正し、不動産企業の資金需要を支援する」と述べた。政策の誤りを認めた形だが、不動産企業の資金不足で住宅建設が各地で中断している。代金支払い後も住宅の引き渡しを得られない消費者が救済されるのか不明だ。李首相は「低所得者向けの賃貸住宅も増やす」としており、供給過剰が進み、住宅価格がさらに下落する可能性もある。

 2023年、外資企業による対中直接投資は前年比82%も急減した。反スパイ法で外国人の摘発が相次ぐなど政治的なリスクから市場の不信が増し、資本回避が起きた。

 李首相は「外資誘致に力を入れ、製造業参入規制を全面的に撤廃する」と宣言した。ただ同時に「質の高い発展と安全保障」を両立させる考えも示しており、企業が市場調査などでスパイ容疑に問われる不安は変わらないだろう。

 不動産不況や対中投資の落ち込みは、習近平指導部が政治や安全を優先し、先行きが不透明だからだ。「政策不況」とも言える。

 にもかかわらず、中国政府は全人代閉幕日に30年余り行われてきた首相の内外記者会見について、今年から取りやめると発表した。

 中国は民主主義体制の日本などと異なり、首相は基本的に年に1度、全人代のときにしか内外記者会見をしない。全人代での首相発信は、政府活動報告には表れない政府の方向性や状況認識をつかむ貴重な場だった。

 20年の全人代で、当時の李克強首相は「中国には月収千元(約2万円)の人が6億人いる」と述べ、経済格差の現状を改めて世論に喚起したこともあった。

 会見取りやめの理由は定かではないが、中国の不透明感が増すのは避けられない。

 今回、李強首相は政府活動報告で、習氏の名前を16回も繰り返し、政策面で習氏の経済思想や強軍思想、文化思想を貫徹すると強調した。これほどトップの名前を連呼した活動報告は珍しく、習氏の個人崇拝が強まったことを感じさせる。

 教育面では、小学校から大学まで思想・政治の教育を推進するという。思想とは習氏の思想のことだ。統制は自由な経済活動の妨げとなる。

 中国では、慣例から昨年秋に開かれると想定されていた、経済政策を重点的に討議する共産党中央委員会第3回総会(3中総会)が現在まで開かれていない。習氏の意向といわれるが、これも市場の不信を招く。

 不動産不況が金融危機の引き金になるとの懸念がある中で、李首相は企業や所管部門への監督・管理を強化して金融危機は生じさせないと強調した。しかし党の統制を強化するだけでは、市場の信頼は取り戻せないと中国は自覚するべきだ。共同通信・塩沢英一)

 
「習1強」体制の全人代 透明性の後退を危惧する(2024年3月6日『毎日新聞』-「社説」)
 
 「責任ある大国」を目指しながら、国際社会との意思疎通の扉を閉じようというのだろうか。 中国の全国人民代表大会全人代=国会に相当)が始まった。閉幕日に実施してきた首相の記者会見は今年から取りやめになった。 30年
以上続いてきた首相の記者会見には、外国メディアも参加でき、率直な発言が注目を集めることも少なくなかった。
 今後は閣僚らのメディア対応を増やすというが、首相が自らの言葉で国内外の疑問に答える場が失われることは、透明性の後退につながると危惧せざるを得ない。 習近平国家主席共産党総書記)への権力集中が進む中、党が政策決定への関与を強め、李強首相の権限が縮小されたことも無関係ではないだろう。 党の意思決定過程は、政府以上に見えにくい。習氏は米欧とは異なる発展モデル「中国式現代化」を掲げるが、その先にどのような強国の建設を目指すのか。国際社会の警戒感が強まりそうだ。 「習1強」体制は経済にも影を落とす。李氏は政府活動報告で、2024年の成長率目標を5%前後にすると明らかにした。不動産不況や株価低迷といった課題に取り組み、消費の拡大や外資の誘致を進めることが不可欠だ。
 そのためには正確な情報を発信し、国民や市場の不安を拭う必要があるが、逆行する動きも出ている。24年の経済運営方針を協議した昨年12月の中央経済工作会議では、宣伝と世論誘導を強化し、見通しの明るさを示す「中国経済光明論」を浸透させると決めた。
 中国の統計データはこれまでも疑念を持たれることがあったが、こうした方針の下では信頼がさらに揺らぐことは避けられない。 国家安全省は中国衰退という「言説のワナ」が作り出されているとして、中国経済に批判的な論評を取り締まる可能性を示唆する。
 反スパイ法改正に象徴される国家安全優先の方針は、外資の投資意欲を減退させ、23年の対中直接投資は前年比82%減となった。
 統制強化は一党支配の維持には有効でも、経済の活力をそぎかねない。国際社会の信頼を損ねるリスクもある。習指導部は内向きになるのではなく、協調の道を探るべきだ。
 
中国全人代開幕 経済より軍事で無理はないか(2024年3月6日『読売新聞』-「社説」)
 中国経済の不振は、世界経済にも悪影響を与える。中国政府はその責任を自覚し、景気回復の遅れに対処する政策を打ち出すべきではないか。 中国の国会にあたる全国人民代表大会全人代)が北京で開幕した。李強首相は政府活動報告で、今年の国内総生産(GDP)の成長率目標を、昨年と同じ「5%前後」に据え置いた。 国際通貨基金IMF)が、今年の中国の成長率を4・6%と予測していることを踏まえれば、強気の目標だと言える。
 昨年より目標を引き下げれば、外国企業の投資意欲をさらに 削そ ぎかねないとの判断だろうが、達成は容易ではあるまい。
 景気回復の遅れは、GDPの4分の1を占めるとされる不動産部門の低迷によるところが大きい。習近平政権が貧富の格差の縮小を重視する立場から、不動産開発企業への融資を抑制したことが不動産不況の一因となった。
 中国では家計資産に占める不動産の割合が高く、不動産価格の下落が消費の落ち込みも招いた。
 だが、政府活動報告では、財政赤字目標はGDP比3%と、昨年の当初段階と同水準にとどまり、こうした構造的問題に根本的に取り組む姿勢は見られなかった。
 不動産不況の克服なしに、安定成長は望めない。習政権は積極的な財政出動による景気刺激策を進めるべきだろう。
 経済での課題山積にもかかわらず、軍事予算には、前年比7・2%増の約34兆8000億円が計上された。日本の来年度防衛予算案の4・4倍もの規模になる。
 中国は空母や潜水艦、弾道ミサイルの増強に加え、既存のミサイル防衛網では迎撃困難とされる極超音速ミサイルなど、新兵器開発も米国に先行して進めている。
 習政権は今世紀半ばまでに「世界一流の軍を築く」との目標を掲げている。米国と同等の軍事力を確保することで、目標とする台湾統一や、南シナ海での海洋権益の拡大に向けて、米軍の介入を拒否する狙いは明白だ。
 野放図な軍拡によって力による現状変更を図る習政権の姿勢は到底、容認できない。 中国は今回の全人代から当面の間、長年の恒例だった閉幕後の首相記者会見を行わないと決めた。首相が幅広い質問に直接答える数少ない機会だっただけに、習政権の閉鎖性を際立たせている。
 不都合な問いに答えたくないと世界に受け止められては中国の利益にもならないのではないか。
 
中国経済の再生に向けた道筋が見えない(2024年3月6日『日本経済新聞』-「社説」)
 中国経済の司令塔であるはずの首相から、政策の意図やねらいを聞く機会がなくなる。これでは苦境が続く中国経済の先行きに不安を覚えずにいられない。 中国政府は5日に始まった全国人民代表大会全人代、国会に相当)が11日に閉幕したあとに、李強首相の記者会見を開かないと発表した。
 唐突な「通告」に驚きを禁じえない。全人代にあわせて毎年開いてきた首相の記者会見は、国内外のメディアが中国共産党の最高指導部メンバーから生の声を聞く数少ない機会だった。  全人代の報道官は「特別な事情がなければ今後数年、首相会見はない」としており、このまま廃止になる可能性が高い。習近平国家主席への権力集中が進み、情報統制を強める今の中国を象徴する動きといえる。  李首相は政府活動報告で、2024年の経済成長率の目標を実質で「5%前後」に置いた。前年と同じ水準である。 
 23年の成長率は前年比で5.2%となり、目標を達成した。一方で、不動産不況や地方政府の債務問題は改善の兆しがない。国際通貨基金IMF)は24年の成長率を4.6%と見込む。李首相も政府活動報告で今年の目標達成は「容易でない」とした。
 景気がふるわない根っこにあるのは需要不足だ。本格的なデフレを防ぐためにも、財政による下支えは欠かせない。
 地方政府が発行するインフラ債の枠を23年より1千億元(約2兆1千億円)多い3兆9千億元としたり、今年から新たに超長期特別国債を出したりする刺激策は、短期的に景気を押し上げる効果が期待できる。
 ただ、国内総生産GDP)の3割を占めるといわれる不動産業をどう立て直すのか。地方債務の問題をどう解決するのか。政府活動報告から、そうした疑問への答えは読み取れなかった。
 李首相には政策立案の責任者として、自らの言葉で国の内外に説明する義務があるはずだ。それができないとすれば、一人に権力が集まる統治のあり方に問題があるといわざるを得ない。
 海外から中国への直接投資は23年に330億ドル(約5兆円)の流入超にとどまり、前の年より8割減った。だれがどこで政策を決めているのか。それがみえない習政権に対する不信の表れでもある。
 
中国全人代開幕 強権政権への警戒怠れぬ(2024年3月6日『産経新聞』-「主張」)
 中国の全国人民代表大会が開幕した。提示された今年の予算案で国防費は1兆6655億元(約34兆8千億円)が計上された。
 国防費の伸び率は前年比7・2%で前年と同じ高水準だった。経済の停滞が指摘されるにもかかわらず、軍拡路線の継続を鮮明にした。
 李強首相は政府活動報告で「(中国軍は)実戦を想定した訓練を行い、国家主権の利益を断固として守り抜く」と語った。台湾独立の動きと外部からの干渉に断固反対するとし「祖国統一の大業を推進する」と強調した。昨年の活動報告では「祖国の平和的統一」と表現したが、今年は「平和」の文言を消したことになる。
 これらは習近平政権の強硬姿勢に拍車がかかっていることを示す。日本を含む国際社会は「台湾有事」への警戒を強め対中抑止に努める必要がある。
 李氏は今年の国内総生産(GDP)の成長率目標を前年と同じ「5・0%前後」に設定した。前年実績が5・2%で目標を達成したと主張し、「複雑な国際環境に直面しながら困難を克服した」と自賛した。
 だが、活動報告では「中国経済が持続的に回復する基盤は盤石ではない」「一部地方の財政はかなり逼迫(ひっぱく)している」と悲観的な言葉が相次いだ。積極財政で景気を下支えし、不動産市場の安定的で健全な発展を促進するとうたったが、厳しい情勢に対応できるかは不透明だ。
 李氏は「外資誘致に一層力を入れる」とも強調した。開いた口が塞がらないというのはこのことである。昨年7月施行の改正反スパイ法、先月27日成立の改正国家秘密保護法などで、海外投資を冷え込ませているのは習政権である。
 中国は覇権やいじめ行為に反対し、世界の公平と正義を守るとも唱えた。「中国は世界の平和と発展を促すための重要な貢献をした」と胸を張った。だが、南シナ海などで周辺国を圧迫し、ロシアのウクライナ侵略を非難しない中国政府の主張には説得力がまるでない。
 恒例だった全人代閉幕後の首相による記者会見が廃止された。習国家主席への権力集中の余波なのか、経済情勢や人権問題を質(ただ)されることを避けたのか。政治の透明性を軽視するようでは大国の度量に欠けるとみなされても仕方あるまい。
 

中国全人代開幕 信頼回復へ透明性高めよ(2024年3月6日『中国新聞』-「社説」)

 中国の国会に当たる全国人民代表大会全人代)がきのう開幕した。注目された2024年の国内総生産GDP)の成長率目標は、前年と同じ5%前後に据えた。

 李強首相は5・2%だった23年を振り返り、「困難を克服し、経済目標を達成した」と強調。経済の安定成長に意欲をにじませたが、こうした数字を額面通りに受け取れるだろうか。習近平国家主席の「1強体制」の下で、情報統制を強めている。国際社会や市場が中国経済の弱体化に懸念を募らせる中、透明性を高めて信頼回復を図るべきだ。

 経済失速の大きな原因は、GDPの3割を占めるとみられる不動産関連産業の不振にある。不動産企業は軒並み経営難に陥り、大手の中国恒大集団には香港高等法院(高裁)から清算命令が出されたほどだ。だが中国政府は市民の不安打ち消しに躍起になるばかりで、各社の詳細な財務状況も明かされていない。不都合な事実が覆い隠されているとの疑念は拭えない。

 こうした不安や不透明感が海外資本の「脱中国」につながっている。23年の外資企業による対中直接投資は前年比で82%も減り、30年ぶりの低水準となった。人件費の高騰もあり、世界的な企業は相次いで生産拠点を東南アジアなどに移している。

 反スパイ法で外国人の摘発が相次ぐなど、政治的なリスクが企業や市場の不信感を招いた面も大きい。株価の高騰に沸く日本や米国とは対照的に、低空飛行が続いている。

 中国は鄧小平が最高指導者の時代、市場化改革と対外開放を通じて高成長への道を開いた。習氏は13年に国家主席に就いた後、徐々に権力を自身に集中させ、情報統制と独裁を強めている。

 一例が若者の失業率だ。中国国家統計局は昨年6月に16~24歳の失業率が過去最悪の21・3%になったと明らかにした後、毎月のデータの公表を中断。半年後、就職活動中の学生を除いた14・9%という数字を発表した。

 慣例では昨秋の予定だった経済政策を重点的に討議する中央委員会第3回総会は、今も開かれていない。習氏の意向とされるが、これも市場の不信を招いている。

 中国政府はこれまで財政出動や金融緩和などの景気対策を講じてきたが、目を引く成果には乏しい。正確な情報を公開し、中長期的な視点で構造改革を進める以外に苦境を脱する道はないだろう。

 ところが、今回の全人代では30年以上も恒例にしてきた最終日の首相会見の廃止を決めた。信じ難い方針転換である。経済政策や国際情勢など幅広いテーマについて、国内外のメディアが首相に問う場だった。外部からの質問に応じる数少ない機会を自ら閉ざしてしまっては「脱中国」は加速するばかりだ。

 中国の経済動向が世界経済に与える影響は大きい。日本にとって最大の輸出先でもある。今のままでは国際社会の懸念と不信は拭えまい。開かれた市場なくして、経済成長と信頼は取り戻せないと自覚するべきだ。

 

「民主の女神」の選択(2024年3月6日『中国新聞』-「天風録」)

 香港の民主活動家周庭さんが3年ぶりにユーチューブに登場した。留学先のカナダで亡命し、元気な姿を投稿した。反政府デモで実刑になり、半年余りの刑務所生活を振り返っている。労務作業で教わったミシンの腕が上がり、テレビを見ることもできたそうだ

▲平穏だったのではない。出所後も監視下に置かれ、常に恐怖と隣り合わせ。留学希望を当局に伝えると、条件として中国本土に連れて行かれた。不安はあったが、拒否はできなかった。亡命で解放されたなら喜ばしい

▲周庭さんが注目された10年前の雨傘運動。若者たちが求めていた民主的な選挙はおろか、言論の自由まで踏みつぶされた。香港政府を介し、民主派抑圧を推し進めたのは中国共産党だ。一国二制度国際公約だったはずなのに

▲きのう中国の国会に当たる全国人民代表大会が始まった。今年から、ナンバー2である首相の会見を取りやめた。党や政府をイエスマンで固めた習近平国家主席の1強支配だけが際立つ

▲強気の言葉が聞かれるが、足元は揺らいでいる。国民の不満を和らげていた経済力に、かつての勢いはない。愛する故郷より自由を選んだ周庭さんの苦渋の決断は人ごとではない。