推し活(2024年3月3日『福島民友新聞』-「編集日記」)

 米国の歌手テイラー・スウィフトさんが先月東京ドームで4日間行った公演の経済効果は、約341億円に上ったという。これは県内でいえば、須賀川市当初予算とほぼ同じ規模で、そのスーパースターぶりを思い知らされる

 ▼動員数は、昨年本県を訪れた外国人宿泊者より4万人ほど多い22万人。もし県内で公演してくれたなら、どれだけ多くの人が足を運んだだろう―。そんな夢のようなことを考えずにはいられない

 ▼好きな対象を応援する「推し活」の熱量はすさまじい。費用や距離をものともせず人々が動く。津村記久子さんの小説「ディス・イズ・ザ・デイ」(朝日文庫)には、サッカーJ2の架空の22チームを応援する熱心なサポーターたちが登場する

 ▼彼らはサッカーを愛し、地元チームこそが自分の支え。読むときっと、応援するチームがあることがうらやましくなり、試合を観戦したくなるはず。作中には架空のチーム「スエルテ会津若松」の名前も登場する

 ▼きょうはサッカーJ2、いわきFCのホーム開幕戦の日。桃の節句に、桃太郎伝説がある岡山県のチーム、ファジアーノ岡山FCと対戦だ。推せる何かを見つけたいという人は、スタジアムに足を運んでみては。

 

「推し活」が捗る収納ワザ!遠征の悩みもこれで解決