国務省は1日、陸上自衛隊での性被害を実名で告発した元自衛官の五ノ井里奈さんに2024年の「世界の勇気ある女性賞」を贈ると発表した。日本人の受賞は9年ぶり2人目。8日の国際女性デーを前にブリンケン長官とバイデン大統領の妻ジルさんが4日にホワイトハウスで授賞式を開き、五ノ井さんも出席する。

国務省は「五ノ井さんの勇気が虐待を受けた無数の被害者が沈黙の中で苦しむことなく、自ら声を上げることを後押しした」とした。

五ノ井さんの告発を契機に、自衛隊内のハラスメントが日本で社会問題化した。国務省は五ノ井さんの訴えが「伝統的な日本社会ではタブー視されてきた問題に光を当てた」と強調した。

世界の勇気ある女性賞は07年創設。今年は、障害者の権利擁護に尽力するアフガニスタン人女性のほか、ベラルーシやイランの人権活動家らへの授与も決まった。

日本人では、マタニティーハラスメントの被害者支援に取り組む「マタハラNet」を設立した小酒部さやかさん(現横浜市議)が15年に受賞した。(共同)