【米大統領選2024】ヴァンス副大統領候補「子供のいない猫おばさん」批判を説明 発言への非難受け(2024年7月27日『BBC News』)

キャプチャ
米大統領選2024】ヴァンス副大統領候補「子供のいない猫おばさん」批判を説明 発言への非難受け
共和党ドナルド・トランプ大統領候補が副大統領候補に選んだJ・D・ヴァンス上院議員オハイオ州選出)が2021年に、「子供のいない猫おばさんたち」は「みじめな人生を送っている」と発言していたことがあらためて浮上し、波紋を呼んでいる。ヴァンス氏は、「子供のいない」民主党政治家は未来に利害関係がないのに、そういう人たちが国を動かしているとも批判していた。これについてヴァンス氏は26日、「皮肉だった」と説明した。
2021年のインタビューでヴァンス氏は、「子供のいない猫おばさんたちは、みじめな人生を送っていて、自分のそれまでの選択のせいでみじめで、だから国全体もみじめにしたがっている」のだと述べた。
さらに、「カマラ・ハリスやピート・ブティジェッジAOCアレクサンドリア・オカシオ・コルテス)を見れば、これは基本的な事実だ。民主党の未来すべてが、子供のない人たちに牛耳られている。本当の意味で国の未来に直接の利害関係がない人たちに、この国を明け渡したなんて、いったいどういう理屈なんだ」とも述べていた。
当時FOXニュースの司会者だったタッカー・カールソン氏によるこのインタビューは、ヴァンス氏が上院議員選に初出馬した際のもの。ヴァンス氏には子供が3人いる。
民主党の大統領候補になる見通しのハリス副大統領は、夫ダグ・エムホフ氏と前妻の間の子供2人の継母。ヴァンス氏のこの発言にはエムホフ氏や子供たちのほか、エムホフ氏の前妻も強く反発している。
ピート・ブティジェッジ運輸長官もヴァンス氏の発言に反応し、自分は夫チャステン氏と一緒に、双子を養子にしようとしていたものの、うまくいかずにつらい思いをしたのだと、CNNに話した。
「チャステンと僕が里親になろうとして、うまくいかなくて、かなりつらい思いをした後に、(ヴァンス氏の)発言があったのが、本当に悲しいことだ」とブティジェッジ氏は言い、自分たちの経験をヴァンス氏が「知っているはずもなかったけれども、だからこそ、他人の子供たちのことを話題にしない方がいいんじゃないだろうか」と話した。
人気女優ジェニファー・アニストン氏も、ヴァンス氏の発言について「こんなことをアメリカの副大統領候補が口にしているなど、本当に信じられない」と批判した。アニストン氏は、自分が体外受精で子供を授かろうと苦労してきたことを公表している。
ほかにも大勢がヴァンス氏の発言を非難する中、ヴァンス氏は26日、保守系司会者メガン・ケリー氏の番組で、「もちろんあれは皮肉だった。みんな皮肉にばかり注目して、自分が実際に何を言ったのか、その中身を見ようとしていない」と説明。
「自分が言ったことの中身は、残念ながら本当だ」とも述べた。
そのうえでヴァンス氏は、自分は子供のいない人を批判したのではなく、「民主党が反・家族、反・子供になっていることを批判した」のだと主張した。
「子供を持つこと、父親になること、母親になることは、本当にかなり深遠な形で自分の物の見方を変える。自分が言ったことの要点は、ただそれだけだ」、「この国の社会全体が、子供を持つことについて懐疑的になり、子供を持つことを憎むようにさえなったと、僕は主張している」のだと、ヴァンス氏は述べた。
ヴァンス氏は今年6月、連邦議会上院に民主党が提出した、体外受精IVF)を含む不妊治療が全米で受けられるようにする法案について、反対票を投じた。共和党の反対によって、法案は否決された。
ヴァンス氏は他の共和党上院議員48人と共に、自分たちはIVFに賛成だが、民主党の法案はおおざっぱすぎるほか、「いたずらに偽りの恐怖をあおる」ものだと批判する手紙に署名していた。
(英語記事 JD Vance