天皇陛下64歳の誕生日 能登半島地震「深く心を痛めております」 愛子さま日赤就職「とてもいい考え」(2024年2月23日)

天皇陛下はきょう、64歳の誕生日を迎えられました。誕生日に先立ち、記者会見が行われ、陛下は能登半島地震の被害について「深く心を痛めております」と述べられました。

能登半島地震について

「石川県において、多くの方が犠牲となられ、今なお、安否が不明の方がいらっしゃることや避難を余儀なくされている方が多いことに深く心を痛めております」

天皇陛下64歳の誕生日の記者会見。陛下は冒頭、亡くなられた方への哀悼の意を示し、遺族と被災された方々への心からのお見舞いを述べられました。

そして、復旧、復興が順調に進んでいくことを願われました。

陛下は輪島塗や珠洲焼などの能登の伝統産業が大きな被害を受けたことについて、「伝統文化を守り、継承していくための支援も大切である」と述べられました。

また、「訪問できるようになりましたら、雅子と共に被災地へのお見舞いができればと考えております」と被災地を訪問する意向を示されました。

愛子さまについて

日本赤十字社への就職が決まった愛子さまについて、「日赤に入りたいと聞きました時、雅子も私も『とても良い考えではないか』というように思いました」と明かし、「『人のために何かできれば』という思いを、以前から持っていたのように思います」と述べられました。

そして、「この4月から日赤の一員として多くの人のお役に立てるよう努力を続けてほしいと思いますし、社会人の一人として成長していってくれることを願っています」と話されました。

■皇后・雅子さまについて

陛下はこの1年、皇后さまが岩手県や北海道、鹿児島県、石川県への訪問を全て終えられたことや、インドネシアへ訪問できたことを「安堵するとともに、嬉しく思いました」と述べられました。

また、「30年を共に過ごし、雅子には、私から、これまでの感謝の気持ちを伝えたいと思うとともに、この先の人生も引き続きよろしくと伝えたい」と話されました。

■若い世代の活躍

陛下はこの1年の明るい話題として、スポーツの世界で野球のWBCでの日本代表チームの優勝や、米国メジャーリーグで活躍する大谷翔平選手の満票でのMVP選出、将棋の藤井聡太さんが史上初の8冠を達成したことを上げ「若い世代の人々が、日々の努力の積み重ねにより新たな世界を切り開いていく姿は、私たちに明るい夢と希望を与えてくれました」と述べられました。

■国民との信頼関係と情報発信

皇室の基本は「国民の幸せを常に願って、国民と苦楽を共にすること」であり、「皇室を構成する一人一人が、このような役割と真摯に向き合い、国民の幸せを願いながら一つ一つの務めを果たし、国民と心の交流を重ねていく中で、国民と皇室の信頼関係が築かれていくもの」とした上で、「皇室に関する情報を、適切なタイミングで、分かりやすく発信していくことは大事なこと」との考えを示されました。