「かかりつけ病院」を「いつも行く病院」に言い換えて分かったこと(2024年2月19日『MRO北陸放送』)

安江国昌

買い主の味方であることにこだわる住まい探しのプロ

安江国昌(やすえくにまさ) / 宅地建物取引業

フリープラス合同会社

 


石川県金沢市の小さな不動産屋です。

群馬県前橋市は、救急車全17台に「コミュニケーションボード」を導入したそうです。
ここでいう「コミュニケーションボード」とは、痛む場所を聞く質問が書かれた体の絵などを見せ、指さしで答えてもらうものです。

前橋市消防局は2022年6月からボード作成を開始。

「かかりつけ病院」を「いつも行く病院」に言い換えたり、敬語で文章が長くなるのを避けて「痛い(つらい)どこ?」など、直感的で分かりやすい質問にするよう工夫しました。
触って痛みを確認したい時も、ボードを使って事前に通告できます。

これまでは救急車に筆談用の白板を置いていたのですが、筆談が苦手な人も多く、隊員の使う用語が伝わらない場合もあったそうです。
そこで実際に聴覚障害者などに試してもらい、意思疎通に不安を持つ人が有事の際に安心して利用できるように工夫したとのこと。

すごくいい取り組みだと感じました。

救急車を呼ぶときは、有事です。
しゃべることすら苦痛な時に筆談しなければならないのは、どんな人でもつらいはずです。
本人にとっても救急隊員にとっても、指さしだけで、大まかな症状を確認しあえるのはメリットでしょう。

特に「敬語を省いて端的な表現を心がけた」点が、英断だと思います。
この発想で、他言語の「コミュニケーションボード」も製作できれば、日本語が分からない外国人旅行客などの搬送にも活用できそうです。

救急車利用の有料化が現実になってきました。
それにより ”救急車を呼ぶこと” をためらう人もでてくると思われます。
ですが救急医療には「本当に必要なとき=有事」に役立つ存在であり続けてもらいたい。
そんなことをあらためて考える機会になりました。