口腔(こうくう)ケア(2024年2月18日『秋田魁新報』-「北斗星」)

 酸っぱいレモン。この文字を見ただけで、口の中で唾液が湧き出てくるという人もいるのではないか

▼レモンなどのかんきつ類や梅干しなどを頭の中で思い描くことで唾液が分泌されるのは、それを実際に口にした時の反応を脳が記憶していることによる条件反射だとの説がある。分泌された唾液は口の中の細菌を洗い流す役目を果たしてくれるというから、実にありがたい存在だ

▼断水した際に困ることの一つに、口内を清潔に保つ口腔(こうくう)ケアがしにくくなることがある。能登半島地震でも問題化した。水道が使えなくなることで歯磨きができなくなり口内に細菌が増加。肺炎にかかりやすくなるほか、コロナ感染などのリスクが高まる

▼そんな事態を未然に防ぐ口腔ケア商品はどれだけあるだろう。秋田市内のドラッグストアで確認してみたところ、かなりの種類があった。口に入れてゆすぐ液体歯磨きのほか、口内を拭くのに使うウエットティッシュなど。いずれも重要な防災グッズとなる

▼「お口の状態が感染症に関わることは意外と知られていないかもしれません。自分のお口をケアすることは身体全体のリスクを抑えることでもあります」。災害への備えや注意点を具体的に示す「地震イツモマニュアル」(ポプラ文庫)に日用品メーカーが寄せた文章だ

▼歯磨きは毎日するが、特に健康への影響などは意識せず漫然と行ってきた気がする。唾液の働きを含め、口腔ケアの効果を知ることが大切だと胸に刻んだ。

口腔ケアの効果 | はじめよう!やってみよう! 口腔ケア

口腔ケア