■2月15日 この時期の風物詩ともいわれる確定申告が今年も16日に始まる。個人事業主フリーランスの人たちなどは必要な書類や領収書を前に頭を痛めているだろう。不動産の売買や、相続が発生したときなどは贈与税の申告漏れには細心の注意が必要とか。税務署の目は節穴ではないらしい。

そんな折、自民党は派閥の政治資金パーティー裏金事件を受けて実施した党所属議員のアンケート結果を公表した。対象となった現職議員ら384人のうち、18~22年に政治資金報告書にキックバックなどで不記載があったのは85人(現職82人)、総額は約5億8000万円だった。

二階俊博元幹事長の3526万円を筆頭に1000万円以上が20人いたが、肝心の使途は不明で真剣さがまるでない。国会では、21年衆院選前に旧統一教会の関連団体の会合に出席したとして盛山文科相が野党に追及され「記憶にない」と旧来型の答弁を繰り返すばかり。そんな記憶力でよく大臣が務まると、裏金に怒った国民を今度はあきれさせた。

検察は年末年始を返上し裏金事件に取り組んだはずだが議員の刑事処分は3人だけ。連座制のない政治資金規正法に阻まれたようだ。「それなら早く連座制を導入しろ」といっても、センセイ方はなんだかんだとへ理屈を並べて阻止するのが関の山。アンケート結果が出てうやむやのうちにオシマイでは〝逃げ得〟もいいところだ。

自民は並行して行った事情聴取の結果を近く公表するらしいが、なれ合いの聴取など茶番でしかない。不記載の裏金については、国税が黙ってないで厳しく追徴金を取りたててくれないことには、庶民は確定申告などバカバカしくてやってはいられない。(今村忠)

 
  •