石破首相の外交デビューとなったAPEC。日本の新リーダーとして、各国に顔を売る絶好の機会なのだが、
「首相は各国の首脳に話しかけることもなく、自分の席でスマホをいじったり資料に目を通していました。そして、近づいてきたカナダの首相らに対し、座ったままで握手。これは礼儀知らずと言われても仕方のないことです」(前出・記者)
周りではなく「本人の問題」
外交的に「非礼」な振る舞いだと、国内では首相に対するバッシングがヒートアップ。しかし首相に就任してから、そのマナーをめぐる話題が尽きない。官邸での新閣僚との集合写真撮影時には、ズボンの裾がだぶついた姿で登壇。それ以降も、
「箸の持ち方が悪い」
「おにぎりの食べ方がひどい」
など、一挙手一投足にツッコミの声が上がっている。ここまでくると、マナーというより躾の域に達しているように思えるが、首相の周囲で進言をしてくれるようなスタッフはいないのだろうか?
「周りが冷たいというより、ご本人の問題だと思います」
と、語るのはジャーナリストの大谷昭宏さん。
求められるのは「コミュニケーション能力」
慣れない“花瓶”という政治の中心に入ってしまい、どうしていいのかわからない。これは生けられた花瓶が悪いと言われても花瓶も困ってしまうわけで(笑)、やはり石破さんが自分から積極的に“こういうときはどうすればいいの?”と聞かなくてはダメですよ」
もともと議員の“お友達”も少なく、自民党の中では孤立している、といわれていた石破首相。党内のイジメに遭っているのでは、とも思ってしまう。
「いやいや(笑)、そんな意地悪をしたって何のメリットもないですよ。権力を持った石破さんに歯向かっても意味がないですから。ただ、周囲から進言されても石破さんが不機嫌になったりとか、コミュニケーションの部分で問題があるのかもしれませんね」(大谷さん、以下同)
もっとフランクに官僚や官邸スタッフとコミュニケーションをとるべき、と大谷さん。国民からは細かいツッコミを受け、内閣の支持率も不支持が50%になったとも報じられた。
「今の内閣に対する国民からの視線は冷たいですね。先日、大相撲の千秋楽に総理大臣杯の授与に内閣から誰も出席しなかったと叩かれていました。これも九州出身の議員、それこそ麻生太郎さんにでも出席してもらえば、福岡の人たちは大喜びですよ(笑)。
石破さんに今求められるものはコミュニケーション能力。これからトランプ次期大統領との難しい“ディール(取引)”も待ち構えています。日本が世界で負けないためにも、石破さんには自身の持ち味を早く出してほしい。それには、周囲の力を借りることが大切なことになると思います」