国民・玉木雄一郎氏の不倫報道対応 危機管理の専門家の見方は?(2024年11月12日『毎日新聞』)

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両院議員総会で自身の不倫について謝罪する国民民主党玉木雄一郎代表=衆院第1議員会館で2024年11月11日午後0時5分、宮間俊樹撮影
 国民民主党玉木雄一郎代表(55)は11日、知人女性と不倫をしていたとする報道を「おおむね事実だ」と認め、謝罪した。
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時折涙を浮かべ、質問に答える玉木氏
 10月の衆院選で躍進した同党を率い、与野党の駆け引きでキャスチングボートを握る「時の人」となっていただけに、SNS(ネット交流サービス)などでは「残念」「脇が甘い」といった批判の声が上がる一方、「政策をがんばってほしい」などと擁護する声も散見された。
 こうした反応を専門家はどう見るか。東北大の増沢隆太特任教授(危機管理コミュニケーション)に聞いた。
 ◇「事後対応は悪くない」
 週刊誌ウェブサイト「スマートフラッシュ」が今回の記事を配信したのは11日午前6時。内容は、衆院選の投開票から3日後の10月30日深夜に玉木氏が東京都内のワインバーで女性と密会していたなどとするものだった。
 配信から約3時間半後、玉木氏は国会内で記者会見を開き、事実関係をおおむね認めた上で陳謝し、「浮かれた部分があったと思う。冷静さを失った行動だった」と語った。
 記者会見を受け、SNSなどでは「早く認め陳謝する態度は潔い」「政治家であってもプライベートはプライベート」といった反応が少なからずあった。
 こうした声について増沢さんは「『プライベートと政治活動は別』といった意見がこれまでになく目立った。政治家のスキャンダルを巡る反応としては珍しい」と驚く。
 その理由として、増沢さんは謝罪の迅速さを挙げる。「事実をすぐに認めて謝罪したことは『事後対応』としては悪くなかった」と一定の評価をする。
 ◇「現時点で致命傷になっていないだけ」
 ただ、擁護論は一時的なものと増沢さんは考えている。
 「現時点で致命傷になっていないが、これまでの同様のケースを振り返ると、致命傷になってもおかしくないスキャンダルだ。謝罪会見だけでは『やらかし』をゼロにできず、ダメージがあることに変わりはありません」
 そもそもの危機管理の姿勢についても疑問を呈する。
 「衆院選で躍進して以降、マスコミの『スキャンダル探し』の対象になっているのに、その直後に軽率な行動を取った。危機管理ができているとはとても言えません」
 その上で、増沢さんは玉木氏の今後について「発信力が弱まるといった悪影響が出てくる可能性はある」とみている。【岡田英】