今回の衆院選には、過去最多の314人の女性が立候補した。全候補者に占める割合は23.4%にとどまるものの、東京8区では出馬4人のうち3人が女性。応援で街頭に立つ地元区長も女性で、男女間格差の是正などを巡る論戦が熱を帯びる。
◆岸本聡子区長は立憲前職を応援
選挙戦も終盤に入った23日夜、JR阿佐ケ谷駅前(東京都杉並区)に立った立憲民主党前職の吉田晴美は「男女の賃金格差や女性の生きづらさ、こうした重しを取り除きたい」と声を張り上げた。選択的夫婦別姓制度の導入や、女性の比率が高い介護職員や保育士の処遇改善などを訴える。応援には、杉並区長岸本聡子も駆けつけた。
女性区長(手前左)と女性候補者(右)の街頭演説に集まった人たち
吉田は2021年の前回衆院選で自民党幹事長などを歴任した当選10回の石原伸晃を破り、1期目ながら今年9月の立民代表選に立って注目を浴びた。さらに8区のある杉並では、政界での女性活躍に風が吹く。2022年の区長選で岸本が現職を僅差で破って同区初の女性区長になり、昨年の統一地方選で女性区議が定数の半数を占めた。
◆自民新人は石原伸晃氏の「後継」
そんな中、石原の後継となったのが元経済産業省官僚で自民新人の門寛子。地元出身で、2人の子を育てる母でもある。「時代に合わなくなった規制がたくさんあった」と経産省での経験を振り返り「責任政党である自民党の中から変えていかないと」と語る。
女性候補者の演説を聞いていた女子大学生(21)は「政治はおじさんのものというイメージだったが、政治を変えてくれるという期待感がある」。女性会社員(27)は「女性だから誰でもいいわけではなく、政策の内容でしっかり選びたい」と話していた。(敬称略、浜崎陽介)
東京8区 東京都杉並区の大部分を占める。JR中央線沿いの阿佐谷、荻窪をはじめ、西武新宿線、京王井の頭線、東京メトロ丸ノ内線も通り、住宅街として発展。今回の区割り変更で、一部は中野区全域とともに新設の27区に再編された。選挙人名簿登録者数は39万1729人(14日現在)。
◆東京8区 立候補者(届け出順)
吉田 晴美 52 立民 前①
大森 紀明 53 参政 新
門 寛子 44 自民 新
南北ちとせ 48 維新 新
吉田 晴美 52 立民 前①
大森 紀明 53 参政 新
門 寛子 44 自民 新
南北ちとせ 48 維新 新