埼玉県の被爆者団体「県原爆被害者協議会(しらさぎ会)」事務局長の佐伯博行さん(80)は、記者から日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)が今年のノーベル平和賞に決まったという一報を聞いて「ええっ」と驚きの声を上げた。続けて「唯一の戦争被爆国で被害の実相を訴え続けてきた活動が、こうして世界で評価されて大変励みになる」と話した。
佐伯さんは広島にいた1歳の時に被爆した。記憶はないが、「核廃絶のために少しでも力になれれば」と被害を語り継ぐ活動を続けてきた。ノーベル平和賞は2017年に、核兵器禁止条約の採択に尽力した国際NGO「核兵器廃絶国際キャンペーン」(ICAN)が受賞しており、「もう(日本被団協は)ないのかと思っていた」と笑った。