今回の補償法は、一連の訴訟に参加していない被害者が対象。14歳の時に手術を強いられ、7月の最高裁判決で勝訴が確定した東京訴訟の元原告北三郎さん(81)=活動名=は「手術のせいで人生は大きく狂わされた。同じ悲劇を絶対に繰り返してほしくない」と強調。「声を上げることができなかった被害者、手術のことを今も知らない被害者、すべての被害者を救済してください」と訴えた。
今後は制度の周知が課題とされる。旧法下の不妊手術は約2万5000件、人工中絶手術は約5万9000件とされる。一方、こども家庭庁によると、不妊手術を受けた人に一律320万円を支払う一時金支給法の認定を受けたのは1129件(8月末時点)にとどまる。
新里弁護士は「プライバシーに配慮しながら個別通知をどうやるかの議論を、こども家庭庁と進めたい。予算措置も必要だ」と説明。「極めて重大な人権侵害を国は放置してきた。被害者に謝罪し『この補償法のお金をぜひ受け取ってほしい』というスタンスが求められている」と話した。