1966年の静岡一家4人殺害事件の再審公判で袴田巌さん(88)を無罪とした静岡地裁判決を受けて、日本国民救援会鹿児島県本部は30日、鹿児島地検前で控訴しないよう求める街頭活動をした。同本部のメンバーら15人が袴田さんの一刻も早い無罪確定を訴えた。袴田さんの人生を犠牲にしないよう検察に求める声明も同日付で発表した。
ベッドの上で再審開始を待つ97歳は何度もうなずき涙ぐんだ。「アヤ子さん、無罪を勝ち取りました」…家族も意気上がる「次はお母さんたちの番」 第4次請求中の大崎事件
静岡地検の控訴期限は10月10日。同本部の野元幸一事務局長(72)は「失われた過去は戻らないが、無罪が確定して自由になってほしい。判決が他の冤罪(えんざい)事件にもいい影響を及ぼしてくれれば」と話した。
声明では、有罪は捜査機関による自白の強要や、捏造(ねつぞう)された証拠に依拠したものだったと指摘。「控訴により、袴田さんがこれ以上無意味な時間を費やすことは到底許されない」としている。
ベッドの上で再審開始を待つ97歳は何度もうなずき涙ぐんだ。「アヤ子さん、無罪を勝ち取りました」…家族も意気上がる「次はお母さんたちの番」 第4次請求中の大崎事件(2024年9月30日『南日本新聞』)
袴田ひで子さんからのビデオメッセージを見る原口アヤ子さん=29日、鹿児島県内の介護施設
1979年に鹿児島県大崎町で男性の変死体が見つかった「大崎事件」で、殺人などの罪で服役し裁判のやり直し(再審)を求める原口アヤ子さん(97)に29日、66年の静岡一家4人殺人事件の再審で無罪判決を受けた袴田巌さん(88)の姉ひで子さん(91)からビデオメッセージが届いた。
原口さんが入所する施設に支援者が訪れ、タブレット端末で伝えた。「アヤ子さん、無罪を勝ち取りました。どうもありがとう」とのひで子さんの言葉を、大きくうなずきながら聞き入っていた。県外に住む原口さんの長女は「次はお母さんたちの番。もう少し元気でいないといけないね」とテレビ電話で激励。支援者が「無罪判決まで頑張ろうね」と語りかけると、原口さんは涙ぐんだ。
長年支援を続ける武田佐俊さん(81)=宮崎県串間市=は「言葉のやりとりはできなくても、しきりにうなずいていた。いい結果が出るという期待感がある」と話した。
袴田巖さん 無罪判決の翌日「まだ半信半疑」(2024年10月1日『ABEMA TIMES』)
やり直しの裁判で無罪判決を言い渡された袴田巖さんの姉・ひで子さんが、9月30日、東京都内で会見し、判決を受けた翌日の巌さんの様子について語りました。
「(無罪判決)翌日も(巖さんは)新聞を広げていて、本当のことだよと言って、あんたのいった通りになってるよと言って説明したが、まだ半信半疑のようです。(検察の控訴について)したきゃすればいいと思っています」(袴田巖さんの姉・ひで子さん)
姉のひで子さんは30日の会見で、無罪判決と聞いた後、「嬉しくて、1時間くらい涙が止まらなかった」と話しました。
会見には袴田巌さんも出席予定でしたが、体調不良のため欠席となりました。控訴期限は10月10日です。(ANNニュース)
昭和41年の静岡県一家4人殺害事件の再審公判で袴田巌さん(88)に無罪が言い渡されたことを受けて30日、姉のひで子さん(91)らが日本記者クラブ(東京都千代田区)で会見し、検察側の控訴について「したければすればいい」と述べた。袴田さんの主任弁護人の小川秀世弁護士は「一般の人の気持ちに沿ってほしい」と控訴を断念するよう求めた。
【表でみる】袴田巌さん再審公判での争点に対する判断
控訴期限は10月10日。
ひで子さんによると、長期の身柄拘束の影響で意思疎通が難しい袴田さんは、9月26日に静岡地裁が言い渡した再審無罪判決について半信半疑の状態が続いているといい、今後も袴田さんに「『無罪になったよ』と伝えていきたい」と話した。
袴田さんが同月29日に静岡市内で行われた集会で「無罪勝利が実った」と発言したことについて、ひで子さんは「あんなことを言えるとは思わなかった」と振り返り、「(身柄を拘束された)48年間、巌が言いたくて、ずっと復唱していたと思う。思いつきで発言したのではないと思う」と述べた。