ベッドの上で再審開始を待つ97歳は何度もうなずき涙ぐんだ。「アヤ子さん、無罪を勝ち取りました」…家族も意気上がる「次はお母さんたちの番」 第4次請求中の大崎事件(2024年9月30日『南日本新聞』)

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袴田ひで子さんからのビデオメッセージを見る原口アヤ子さん=29日、鹿児島県内の介護施設
 1979年に鹿児島県大崎町で男性の変死体が見つかった「大崎事件」で、殺人などの罪で服役し裁判のやり直し(再審)を求める原口アヤ子さん(97)に29日、66年の静岡一家4人殺人事件の再審で無罪判決を受けた袴田巌さん(88)の姉ひで子さん(91)からビデオメッセージが届いた。
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〈別カット〉袴田ひで子さんからのビデオメッセージを見る原口アヤ子さん=29日、鹿児島県内の介護施設
 原口さんが入所する施設に支援者が訪れ、タブレット端末で伝えた。「アヤ子さん、無罪を勝ち取りました。どうもありがとう」とのひで子さんの言葉を、大きくうなずきながら聞き入っていた。県外に住む原口さんの長女は「次はお母さんたちの番。もう少し元気でいないといけないね」とテレビ電話で激励。支援者が「無罪判決まで頑張ろうね」と語りかけると、原口さんは涙ぐんだ。
 長年支援を続ける武田佐俊さん(81)=宮崎県串間市=は「言葉のやりとりはできなくても、しきりにうなずいていた。いい結果が出るという期待感がある」と話した。
 原口さんは殺人罪などで服役後、これまで鹿児島地裁福岡高裁宮崎支部で3度再審を認められたが、いずれも上級審で覆った。第4次請求中で最高裁に特別抗告している