兵庫県議会(定数86)に不信任決議を全会一致で可決された斎藤元彦知事(46)は26日午後、県庁で記者会見を開き、県議会を解散せずに失職を選び、出直し知事選に出馬することを正式表明した。会見の冒頭、「県政にとって大きな判断。大変思い悩んできたが、きょう決断した」と述べた。
斎藤氏はこの直後、「3年前に就任し、県民から85万票の負託を頂いた。行財政改革をしっかりやっていくのが新しい県政のスタートだと思ってやってきた」と説明。県政を混乱させたことへの謝罪に言及する前に、県職員の天下りの禁止など自身の実績をアピールした。
斎藤氏は地方自治法の規定に基づき、29日までに議会の解散か辞職・失職するかの選択を迫られていた。
兵庫・斎藤知事「改革を進めたいとの思い」 出直し選出馬の理由(2024年9月26日『毎日新聞』)
兵庫県議会(定数86)に不信任決議を全会一致で可決された斎藤元彦知事(46)は26日午後、県庁で記者会見を開き、県議会を解散せずに失職を選び、出直し知事選に出馬することを正式表明した。決断した理由について「改革をこれからも進めたいとの強い思いがある」と述べた。
県議会の全ての県議86人は9月定例会の開会日だった19日、県政を混乱させた道義的責任は重いとして斎藤氏に対する不信任決議案を共同提案し、全会一致で可決された。
斎藤氏は地方自治法の規定に基づき、29日までに失職・辞職か議会の解散かの判断を迫られる重大局面を迎えていた。
間もなく県の調査で男性が特定されると、斎藤氏は会見で「内容はうそ八百だ」「公務員失格」と激しい言葉で批判し、退職を認めず局長の職も解いた。
元局長は県の公益通報窓口にも通報したが、県は通報者への不利益な扱いを禁じた公益通報者保護法の対象外と判断。内部調査を進めた結果、県は5月、「知事らを誹謗(ひぼう)中傷した」として元局長を停職3カ月の懲戒処分にした。
疑惑の真相究明を目指した県議会は6月、51年ぶりに調査特別委員会(百条委)を設置。元局長の証人尋問を予定していたが、元局長は7月、県内の親族宅で亡くなっているのが見つかった。自殺とみられている。
斎藤氏は告発内容を一貫して否定したが、百条委が県職員を対象に実施したアンケートでは、多数の職員から「知事のパワハラを見聞きした」などとする回答が寄せられた。
しかし、斎藤氏は百条委に初出頭した8月30日の証人尋問で、「(元局長への処分は)今も適切だと思っている」と証言した。9月6日の尋問では県政の混乱について陳謝する一方、「(自身の)道義的責任は何かわからない」と発言。これまで疑惑を一貫して否定していた。
斎藤氏は総務省出身。大阪府財政課長を経て2021年7月、自民党と日本維新の会の推薦を受けて兵庫県知事選に立候補。前知事の実質的後継だった元副知事らを退けて初当選した。任期は25年7月までだった。【井手千夏、木山友里亜】
兵庫・斎藤知事、出直し選「1人でやっていく」「自分流に挑戦」(2024年9月26日『毎日新聞』)
兵庫県議会(定数86)に不信任決議を全会一致で可決された斎藤元彦知事(46)は26日の記者会見で、失職後に出馬する出直し知事選について「今回は恐らく1人でやっていくことになる」と述べ、無所属で立候補する見通しを明らかにした。
斎藤氏は会見で「私は組織もなく無所属で、今回は政党の力を借りるのもなかなか難しいのではないかと思う。自分流の選挙がどういうふうにできるのかが一つの挑戦だ」と語った。
県議会の全ての県議86人は9月定例会の開会日だった19日、県政を混乱させた道義的責任は重いとして斎藤氏に対する不信任決議案を共同提案し、全会一致で可決された。
斎藤氏は地方自治法の規定に基づき、29日までに失職・辞職か議会の解散かの判断を迫られる重大局面を迎えていた。
間もなく県の調査で男性が特定されると、斎藤氏は会見で「内容はうそ八百だ」「公務員失格」と激しい言葉で批判し、退職を認めず局長の職も解いた。
元局長は県の公益通報窓口にも通報したが、県は通報者への不利益な扱いを禁じた公益通報者保護法の対象外と判断。内部調査を進めた結果、県は5月、「知事らを誹謗(ひぼう)中傷した」として元局長を停職3カ月の懲戒処分にした。
疑惑の真相究明を目指した県議会は6月、51年ぶりに調査特別委員会(百条委)を設置。元局長の証人尋問を予定していたが、元局長は7月、県内の親族宅で亡くなっているのが見つかった。自殺とみられている。
斎藤氏は告発内容を一貫して否定したが、百条委が県職員を対象に実施したアンケートでは、多数の職員から「知事のパワハラを見聞きした」などとする回答が寄せられた。
しかし、斎藤氏は百条委に初出頭した8月30日の証人尋問で、「(元局長への処分は)今も適切だと思っている」と証言した。9月6日の尋問では県政の混乱について陳謝する一方、「(自身の)道義的責任は何かわからない」と発言。これまで疑惑を一貫して否定していた。
斎藤氏は総務省出身。大阪府財政課長を経て2021年7月、自民党と日本維新の会の推薦を受けて兵庫県知事選に立候補。前知事の実質的後継だった元副知事らを退けて初当選した。任期は25年7月までだった。【郡悠介、野原寛史】
維新・馬場代表「再推薦は難しい」 出直し選意向の兵庫・斎藤知事(2024年9月26日『毎日新聞』)
日本維新の会の馬場伸幸代表は26日の記者会見で、兵庫県の斎藤元彦知事が県議会の不信任を受けて失職を選択し、出直し知事選に臨む意向を固めたことについて、斎藤氏を再び推薦することは難しいとの考えを示した。維新は2021年の知事選で自民党とともに斎藤氏を推薦し、初当選に導いた。
馬場氏はこの日の会見で、斎藤氏について「経緯から考えると、再度推薦することは難しい」と発言。独自候補を擁立するか自主投票とするかは今後、党内で協議するとしたが、他の政党との相乗りについては「有権者や国民の理解が得られない」として否定した。
馬場氏は出直し選の判断について、「潔白を証明するには民意を問うしかないと申し入れたので、我々が述べてきたことを受け入れたということかと思う」と言及。一方で、斎藤氏には「自ら真実を明らかにする努力をすべきだと言ってきたが、百条委(県議会調査特別委員会)の対応を拝見してもアドバイスしたことが取り入れられているように見えなかった」とも述べた。
申し入れから「時間が経過しすぎて、斎藤さんへの評価がどんどん下がっているのも事実」だとして、知事選への対応について兵庫維新の会や県議団と協議すべく、党の藤田文武幹事長に意見聴取と調整を指示したと明らかにした。【東久保逸夫】