元「自民党のプリンス」が政界を去る…当選15回の立憲民主・中村喜四郎氏が引退表明 「世代交代は天の声」(2024年9月24日『東京新聞』)

 
 立憲民主党中村喜四郎元建設相(75)=衆院比例北関東=が24日、水戸市で記者会見し、次期衆院選茨城7区には立候補せず政界引退を表明した。当選15回。1994年のゼネコン汚職事件で自民党離党後も強固な後援会組織を背景に当選を重ね、「無敗の男」の異名を取った。

◆後継者は「後援会の意向に従う」

2020年9月、インタビューに答える中村喜四郎衆院議員(淡路久喜撮影)

2020年9月、インタビューに答える中村喜四郎衆院議員(淡路久喜撮影)

 中村氏は会見で、国政の現状を「与野党伯仲の流れができた。政権交代し、安倍政治を総括しなければいけない」と指摘。引退理由を「心身とも健康なうちに辞めるべきだと確信した。世代交代は天の声」と述べ、後継者については「後援会の意向に従う」とした。
 中村氏は40代で建設相などを務め「自民党のプリンス」と呼ばれた。汚職事件で逮捕され、2003年にあっせん収賄罪で実刑判決が確定。05年衆院選で国政復帰後は保守系無所属で活動し、20年に立民に合流。21年衆院選茨城7区では自民の永岡桂子氏(70)に敗れ、比例復活した。
 現職の衆院議員で当選15回は、立民の小沢一郎氏(82)の18回に次ぐ多さ。(青木孝行