小林製薬は17日の会見で一連の「紅麹(べにこうじ)」問題に対する再発防止策の一つに「創業家依存経営からの脱却」を掲げた。しかし、その中身は具体性に乏しく、会見での山根聡社長の発言も、本当に創業家と手を切る覚悟があるのか分からないものだった。消費者や社会が納得できる内容とは言いづらく、同社が早期に信頼を回復できるのか不透明だ。
一連の問題を受け、創業家である小林一雅前会長と、長男の小林章浩前社長が引責辞任した。しかし一雅氏に対しては、7月23日付で就いた特別顧問として、3年任期で通常顧問の4倍となる月額200万円を支払う契約を締結。8月8日付で代表権のない取締役となった章浩氏も社内にとどまる意向を示している。
これに関し、山根社長は今回の記者会見で、「今回の発表をもって(一雅、章浩氏の)役職を変える考えはない」と発言。取締役として担当している補償が完了した後の章浩氏の処遇についても、「現段階でまだプランはない」と言及した。