ノンアルコールビールが並んだ協和公民館まつりの反省会
広島県府中市教委は本年度、公民館での飲酒を全面禁止とした。生涯学習の場として世代を問わず幅広い活用を促す上で、飲酒はふさわしくないと判断した。一方、町内会などからは住民のコミュニケーションの機会が減ると懸念する声も上がる。
市教委は従来、市内全14公民館での飲酒を「原則禁止」としていた。地域イベントの慰労会などは例外的に許容してきたが、4月に「禁止」と改めた。
12月中旬、木野山町の協和公民館であった公民館まつりの反省会では、オードブルの横にノンアルコールビールが並んだ。実行委員長で第2木野山町内会の下恒太郎会長(80)は「決まったことだから仕方ないが、やっぱりビールがあるほうが話が盛り上がる」と残念そう。
飲酒禁止は、今月の市議会定例会の一般質問でも取り上げられ、市議が「無粋に感じる」と市教委に柔軟な対応を求める一幕もあった。市教委の大川幸雄教育部長は「公民館では子どもの活動もあり、酒を好まない大人もいる。誰もが安心して利用してもらうために理解してほしい」と話す。