片山前副知事(6日)
兵庫県の斎藤知事の疑惑を調査する百条委員会は、6日、側近の1人だった片山前副知事の証人尋問が行われていて、告発文書について「知事から徹底的に調べてくれと言われた」と述べました。
6日の百条委員会では、斎藤知事の”最側近”で百条委員会の設置を巡り自身の辞職を引き合いに設置を見送るよう掛けあった片山安孝前副知事が出頭し、証人尋問が行われました。
そのなかで、片山前副知事は告発文がことし3月に一部のマスコミなどに配布された際に公益通報者保護法が禁止する告発者の特定をした理由について「3月21日に知事に呼ばれ、告発文書の現物を見せられた。知事からは(誰がどのような目的でこの文書を出したのか)『徹底的に調べてくれ』と言われた」と述べました。
その際にどう感じたかを委員に聞かれると「(告発文書には)知事のパワハラが含まれていたので、これはやっかいなことになるなと思った」と話しました。
また、告発文書について、当初から文書の存在を知る複数の幹部職員から、第三者委員会を立ち上げるべきだという意見が多く出たにもかかわらず、内部調査となったことについては、「第三者委員会について(別の幹部が)知事に確認すると、知事に『時間がかかるよね』と否定された」と明かしたほか、「文書が告発者の個人情報を保護する“公益通報者保護制度”の対象になるとは思わなかったのか?」との問いかけには、「そうは思いませんでした」と述べました。
県が作成した聴取記録によると、聴取は3月25日に約45分間、実施された。片山氏は、男性職員のパソコンに告発文と一致する文書が見つかったとして、作成に協力した職員の名前を明かすよう求めた。男性職員が作成を否定すると、「ほんまに作った覚えはないと言い張るんか」などと詰問。
1年分のメールの送受信記録を調べたことを伝え、「メールの中で名前(が)出てきた者は、在職しとるいうことだけ忘れんとってくれよな」「皆、嫌疑をかけてやる」と述べた。男性職員の懲戒処分に向け、3月末の退職を取り消す方針も伝えた。男性職員はその後、人事当局に告発文書の作成を認めた。