兵庫・斎藤元彦知事“パワハラ文書”に対する姑息な“犯人捜し”の全容「地検も真っ青のガサ入れ」「対象者の職場を一斉に訪問し…」〈告発職員が自死〉(2024年8月28日『文春オンライン』)

 県政の歪みを告発した文書を「嘘八百」と断じ、作成者の元県職員X氏を自死に追い込んだ斎藤元彦知事(46)。今回「 週刊文春 」は、斎藤知事の指示のもとで、片山安孝副知事(当時)ら側近の幹部職員が作成者を特定するために行った「調査」の全容を掴んだ。

【写真】「なんでそれを知っとるんやって聞きよんやろが!」自殺した職員を詰問していた片山安孝副知事(64)

対象者の職場を一斉に訪問し…

 実際にその調査があったのは3月25日。 片山氏によるX氏への恫喝めいた取り調べの音声は既報のとおり だが、この聴取は「庁内調査手順」と題された指示書に従い実施されていたことが新たに分かった。 「実は調査されたのはX氏だけではありません。文書作成の張本人、いわば『本命』はX氏だったのですが、彼と親しかったY氏とZ氏も調査の対象に挙がっていた。指示書には調査班を3つに分け、対象者の職場を一斉に訪問することや、日時や聴取の流れなど細かな実施要項が記されています」(県職員)  たとえばこうだ。 〈周囲の職員に対しては、訪問の目的は「近くに来たので寄っただけ」と伝える〉 〈「記録のため、ICレコーダーで録音させてもらう」と告げる〉

東京地検特捜部も真っ青の令状なきガサ入れだ」

 調査の全容を知る職員は「東京地検特捜部も真っ青の令状なきガサ入れだ」と評する。公益通報者保護の発想が抜け落ちた兵庫県の対応の是非が問われている。  8月28日(水)12時配信の「 週刊文春 電子版 」および29日(木)発売の「週刊文春」では、X氏を狙い撃ちにするような調査が行われた驚くべき背景、公益通報者保護に対する知事の姿勢などについて詳報している。

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橋下徹氏、兵庫県知事の問題受け、吉村大阪府知事や維新・馬場代表に苦言「斎藤さんのようになるリスク」(2024年8月28日)

よろず~ニュース

 元大阪市長で弁護士の橋下徹氏が28日、X(旧ツイッター)を更新。兵庫県の斎藤元彦知事を巡る疑惑告発文書問題を受けて連続投稿し、大阪府の吉村洋文知事や日本維新の会馬場伸幸代表の〝在り方〟についても苦言を呈した。

【写真】兵庫県の斎藤元彦知事

 兵庫県議会の調査特別委員会(百条委員会)が9月上旬に予定される証人尋問に斎藤知事や片山安孝元副知事らに出頭を要請したことについて、橋下氏は「パワハラ、特におねだりの事実は見解の相違になるだろう。その事実解明は100条委員会が終わるまで分からないだろう。しかし問題はそこではない」と切り出した。

 Xで「告発対象者の知事、副知事、幹部たちが告発を潰しにかかったという権力行使が最悪でこれは絶対に許してはならないこと」(27日付)と指摘していた橋下氏は「吉村知事が万博に反対するコメンテーターに対して万博出禁発言を行ったがそれと同じ。吉村知事は事の重大さに気付いて発言撤回、当該コメンテーターに謝罪した。」と投稿。吉村知事がテレビ朝日系「羽鳥慎一モーニングショー」での玉川徹氏のコメントに対して大阪・関西万博への「出入り禁止」を突きつけた発言を撤回し、謝罪したことを改めて振り返った。

 さらに、橋下氏は「他方、その発言をイッツ・オオサカジョークと評した維新馬場代表はいまだに撤回せず。 しかも国政維新内部、特に執行部から馬場さんに『これは権力行使のあり方として不味い』という進言はなかった模様だし、いまだにない。国政維新のガバナンス危機とはこういうこと。」と日本維新の会にも問題提起した。

 その上で、橋下氏は「コメンテーターにボロクソ言うのはいいが、知事・万博協会副会長の権力を使うことを匂わせることは絶対にダメだ。それを少しでも許せば今回の告発潰しの斎藤さんのようになるリスクがある。」と、兵庫県知事を巡る問題を〝他山の石〟として維新側に猛省を促した。

 橋下氏は斎藤知事についても27日夜のX投稿で「斎藤さんの特徴は自分の都合の良いことは公に話して、都合の悪いことは人事上非公開だとか100条委員会で話すという。こういう特徴から、第三者調査前に、告発者を嘘八百と公に罵って潰しにいったのだろう。パワハラ・おねだりの事実の前に、権力者として失格だ。」と苦言を呈していた。 (よろず~ニュース編集部)