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コバホークは失速、石破は賞味期限切れ……次の総理総裁レースは早くも小泉勝利が見えてきた。父・純一郎の政権獲得からまもなく25年。「若すぎる総理」は日本を変えられるか?
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「進次郎効果」の影響力
兵庫1~3区
「兵庫2区の赤羽一嘉と8区の中野洋昌は、昨年の統一地方選後に実施した党の事前調査では『当選は難しい』との結果が出ていたが、維新が推した兵庫県知事の不祥事で逆転している。『進次郎効果』も合わされば、大阪でも2つは勝てそうです」
さらに新総理になった進次郎が各選挙区に応援演説に入れば、全国で票の底上げが見込める。
「進次郎さんがあっという間に総裁選の推薦人を集められたのは、皆自分の選挙区に応援に入ってほしいから。ツーショットポスターを地元に貼りまくれば、確実に勝率が上げられる」(元安倍派若手議員)
すでにネット上では、進次郎は「とぼけているけど意外としっかりしている」と、これまでの「半人前」という評価を脱却しつつある。自ら全国を行脚し、SNSを席巻すれば、四半世紀越しの「小泉旋風」が再来するかもしれない。
政界の地図が塗り替わる
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では、総選挙を乗り切ったあと、政権の布陣はどうなるのか。青山氏が進次郎の心中を推し量る。
齋藤は、進次郎ら同期4人で「四志の会」というグループを結成するほど相通ずる仲で、自民党随一の政策通と呼ばれる実務能力の高さが売りだ。
また福田は旧安倍派をまとめる次期リーダーと目されており、味方につければ心強い。
とはいえ、進次郎の一存で人事が決まることはない。前出の自民党関係者は「後ろ盾である菅前総理の意向が強く働くのは間違いない」と言う。
「進次郎さんの陣営には菅さんの側近の和泉洋人元総理補佐官が入ると聞いています。和泉さんは国交省住宅局長を務め、菅内閣では補佐官として、経験のない若手議員らに大手ゼネコンの人脈を紹介したり、住宅業界の団体票を取り付けたりするなど、若手は頭が上がらない存在です。
岸田総理の側近である村井英樹官房副長官や、旧岸田派の小林史明も、和泉さんには一目置いている。菅さんが進次郎支持を明確にした以上、彼らは進次郎支持に流れるでしょう。その恩に報いるため、進次郎さんがこうした若手を閣内で重用するかもしれません」(自民党無派閥議員)
「スガ印」が官邸を牛耳る
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安倍長期政権で7年8ヵ月にわたり官房長官を務め、強力な「官邸主導政治」を作り上げた菅は、自らが重用してきた「官邸官僚」の面々を再登板させ、政権を盤石にする腹づもりなのだ。
「菅さんの官房長官時代からの秘書官のうち、特に信頼している4人、財務省の大沢元一氏、経産省の門松貴氏、外務省の高羽陽氏、警察庁の遠藤剛氏が中心になって進次郎の政策を作った。このメンバーで官邸を固めるのではないか」(前同)
もちろんタダというわけにはいかないので、なにかしらのポストが用意されるでしょう。森山さんであれば党四役が妥当です」(旧森山派中堅議員)
もはや流れは決まった。この総裁選で自ら旗を立てようとしていた大物も、勝ち馬に乗るべく動き始めた。
(文中一部敬称略)
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「週刊現代」2024年9月7日号より