民主主義を支える選挙を 愚弄 ぐろう するような行為は許し難い。与野党は選挙活動のあり方をきちんと議論し、早期の法改正を目指すべきだ。
選挙を商売に利用するかのような手法を禁止するのは当然だが、それで十分とは言えまい。候補者が無償でポスターの権利を譲ったと主張した場合は、選挙と無関係のポスターでも認めるのか。
都知事選ではまた、候補者が、知人の女性のほぼ全裸のポスターを貼り出したケースもあった。
与党は、品位を損なう内容のポスターを禁じる規定を新設する方針だ。罰則は設けないという。
一方で憲法は、表現の自由などの権利はあくまでも「公共の福祉のために」行使できる、とも定めている。それを踏まえれば、品位を保つため、憲法に抵触しない範囲で、一定の強制力のある規制を設けることは可能だろう。
近年は政見放送で候補者が服を脱ぎ始めたり、 卑猥 ひわい な言葉を連発したりするなど、悪ふざけのような異常な行動も目立つ。
与党は、政見放送には品位保持規定があるため、新たな規制は設けないという。だが、この規定が 蔑 ないがし ろにされているのが現実だ。