大谷次郎
台風10号が猛威を振るっています。のろのろと進路を変えながら、8月29日午前8時ごろに鹿児島県薩摩川内市付近に上陸しました。上陸直後、中心気圧が960ヘクトパスカルで、中心付近の最大風速は40メートル、最大瞬間風速は55メートルだったとされます。大雨と突風などにより、新幹線や航空機の運航を取りやめたり、建物被害が出たり、その影響は甚大です。
気象庁によると、最大瞬間風速55メートル以上、平均35~40メートル以上を「猛烈な風」と表現するそうです。最大瞬間風速60メートルを超えると「樹木・電柱・街灯が倒れ、ブロック壁が倒壊」するそうですから、どのような「備え」が必要なのか、なかなか想像できないのではないでしょうか。 ▼九州7県で計62人けが 宮崎で約5000人が避難 屋久島や奄美大島では電話通じにくく ▼強い台風の接近相次ぐ、早めの対策が重要に 宮古島地方気象台が備え「5箇条」を紹介 ▼台風10号の最大瞬間風速は50メートル 6年前の関空連絡橋とタンカー衝突させた規模
台風10号は自民党総裁選(9月12日告示、27日投開票)にも影響を与えています。すでに小林鷹之前経済安全保障担当相、石破茂元幹事長、河野太郎デジタル相が正式に立候補表明していますが、林芳正官房長官、小泉進次郎元環境相、高市早苗経済安保担当相らは予定した出馬会見の日程変更を余儀なくされました。
今回の総裁選は〝乱戦模様〟で、10人近い議員が立候補することが想定されます。岸田文雄首相(党総裁)は不出馬を表明した8月14日の記者会見で、総裁選について「新生・自民党を国民の前に示すことが必要」「真剣勝負の議論を戦わせてほしい」と語っていました。
自民党のトップを決める総裁選は日本のリーダー=首相を決めるものともいえます。候補者が乱立することによって、日本の進路を明確に示すような論戦にならなければ、世論の風向きを気にしながら衆院解散・総裁選をにらんだ「選挙の顔」選びになり、国民の信頼を取り戻すことはできないでしょう。 ▼自民総裁選 小泉進次郎氏は9月6日に出馬会見延期 台風10号の影響を考慮 ▼「政治とカネ」より大事な争点 阿比留瑠比の極言御免 ▼小泉・石破・高市氏がトップ3独占 自民党総裁選の各社世論調査 4~6位も同一
そこで「なぞかけ」をひとつ
自民党総裁選とかけて、猛威を振るう台風ととく、そのこころは
《トップ(突風)で変わら(瓦)ないかもしれません》
さて、野党第一党の立憲民主党も代表選(9月7日告示、23日投開票)も行われます。枝野幸男前代表、野田佳彦元首相が正式に出馬表明しており、泉健太代表らが立候補に意欲を示しています。自民党より一足先にトップが決まることになり、次期衆院選に向けて自民党とどう対峙していくのかが注目されます。
民主党代表選とかけて、リリーフ投手ととく、そのこころは
《新しい党首(投手)も内閣(内角)を攻めるでしょう》
おあとがよろしいようで… ▼立民代表選に〝世論人気1位〟野田佳彦元首相が名乗り 埋没する泉健太代表 ▼党首に「刷新感」は必要か 魔法のキーワードに翻弄される与野党 ▼立民代表選、枝野幸男氏が正式出馬表明「自民に代わる国民政党へ」 政党連携を「再構築」
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