教諭から性被害、生徒30人にカウンセリング費を補助 月1万円を上限、最長で3年 埼玉県朝霞市が予算化(2024年8月27日『東京新聞』)

 
写真はイメージ。本文とは関係ありません

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 埼玉県朝霞市は26日、有罪判決が確定した市立中学校元教諭からわいせつ被害を受けていた生徒に、カウンセリング費用などとして、1人あたり月1万円を上限に補助金を支払うと発表した。期間は最長で3年間。生徒の心のケアのため、市が独自に補助金を出すのは珍しいという。
 市教育委員会などによると、元教諭は2022年4月~23年9月ごろ、教室などで男子生徒にわいせつな行為をしたり、修学旅行や部活の合宿先で入浴中の男子生徒を盗撮したりしたとされる。さいたま地裁で6月、懲役3年の有罪判決を受け、確定した。被害生徒は約30人という。

◆「精神的ショックで学校に行けない」

 事件後、市教委には生徒の保護者から「精神的ショックで学校に行けなくなり、カウンセリングを受けている」などの相談が寄せられており、被害者の心のケアを金銭的にも支援することにしたという。「教職員による犯罪被害者支援補助金」として360万円を盛り込んだ一般会計補正予算案を、市議会9月定例会に提出する。
 対象には卒業生も含まれる。市教委は「教師という立場を利用した卑劣な犯行の被害を受けた生徒に対し、長いスパンで少しでも寄り添っていきたい」としている。(中里宏)