「首相は怒って…」岩田明子氏、岸田首相に総裁選不出馬を電撃表明させる契機となった人物に言及(2024年8月17日『日刊スポーツ』)

NHK解説主幹でジャーナリスト岩田明子氏は17日、日本テレビ系「ウェークアップ」(土曜午前8時)に出演し、岸田文雄首相(67=自民党総裁)が9月の自民党総裁選への不出馬を表明した背景をめぐり解説した。

岸田首相は14日の会見で、派閥裏金事件をめぐる党総裁としての責任に触れながら「最も分かりやすい最初の1歩は私が身を引くこと」「私が身を引くことでけじめをつけ、総裁選に向かって行きたい」と述べた。首相自身は、直近まで出馬に意欲を示していたと話す関係者もいる。

一方、岩田氏は、首相側近が「実は、不出馬を固める気持ちになっていたのは意外に早くて、今年の春ごろだったんじゃないか」と話していたと指摘。「政治とカネの問題で所属議員たちの処分を決めている時に、総裁としての責任はどうなんだという批判にさらされている時に、かなり不出馬が頭をよぎったのではないかというふうに分析している」と解説した。

一方、お盆休みのさなかの電撃的な不出馬表明で、各方面の関係者は休み返上で対応に追われる形に。キャスターを務める読売テレビ中谷しのぶアナウンサーに「なぜお盆のまっただ中に表明されたのでしょう」と問われた岩田氏は「岸田総理のもとにも、水面下で次の候補たちの動きがいろいろ入ってくる。それを見ていた時に、この(出馬表明の)動きが表面化する前に、自ら意思を表明することでアドバンテージを取りアピールをする。『政治家の意地』という言葉を会見で2回使われたが、そこに気持ちが表れていたのではないか」と述べた。

さらに、14日の不出馬表明の背景の1つに、中堅・若手の支持で総裁選出馬しようとしている「コバホーク」こと小林鷹之・前経済安全保障相(49)の動きがあったのではないかと推測した。

「(岸田首相は)19日ごろに表明するのではないかと思っていた議員も多かった。なぜ数日前倒しになったのかというところでは、総理側近は、今、注目されている小林さんがネット番組に出られた時、安倍派が要職から外されていることについて『挙党一致でやるべきではないか』と提言したことに、かなり反応したと。もう少し平たく言うと怒って、それで(小林氏が出馬表明をする前に)意地をみせる、ということで(不出馬表明が)早まったのではないかと。こんなふうに話していました」と、明かした。

岸田首相について「自分から(不出馬表明をする)と言うことで、少しでも影響力を残したいということもあったと思う」とも指摘した。