高木さんは7月12日、地元の生き物に関するプログラムの準備のため放水路に向かった。一帯は淡水と海水が混じり、水の流れが穏やかな地点。プランクトンを採取しようと網を入れると、網目に透明のゼリー状の個体が詰まり「魚卵かな」と首をかしげた。
水槽に入れると小さな触手が見え、「クラゲだ」とピンときた。図鑑で調べても種類が分からず、クラゲ研究で知られる山形県鶴岡市の加茂水族館に協力を依頼。世界では長崎県で2例しか見つかっていないワタゲクラゲとわかった。
◆生息分布は?「探して報告して」
放水路ではワタゲクラゲらしき個体が毎日数十~数百匹採取でき、「きっと今までも見過ごされてきたのだろう」と高木さん。区内での生息分布を知りたいと考えており、「子どもたちに探してみようと呼びかけ、見つかった場所を報告してもらえれば」と話した。