◆期間「1週間」に地震学的な根拠はない
Q 臨時情報はどんな時に発表されるの?
A 駿河湾から日向灘沖にかけて広がる南海トラフ巨大地震の想定震源域で、M6.8以上の地震が起きると、第1段階の臨時情報「調査中」が発表されます。その後、有識者による評価検討会を開催。速報されるマグニチュードよりも、地震のエネルギーを正確に反映するとされる国際的な指標「モーメントマグニチュード(Mw)」が8以上であれば「巨大地震警戒」、7以上8未満の地震などの場合は「巨大地震注意」が発表されます。今回の地震のMwは7.0でした。
Q 住民はどう対応すれば?
Q なぜ1週間?
A より大きな地震が誘発される可能性は地震の発生直後が一番高く、徐々に低くなっていくとのデータがあります。ただ、1週間の期間に地震学的な根拠はありません。社会的にどれくらいの期間であれば許容できるかを検討して決められたものです。1週間たてば、完全に安全ということでもありません。
A 巨大地震はおおむね100〜150年間隔で起きているとされます。内閣府のワーキンググループがまとめた資料によると、今回と同規模のM7級の地震は1923年以降、7回発生しています。この7回の直後に巨大地震が発生したケースはありません。しかし、直前の巨大地震(昭和東南海、南海地震)から約80年たっており、震源域ではひずみがたまっているとみられ、その点は注意が必要です。
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◆食料・水は3日程度、暑さ対策には「氷」の準備を
藤田医科大防災教育センターの若月徹副センター長は「あくまで冷静に行動し、考えられる備えをしてほしい。買い占めなどは控えて」と強調。就寝中の強い揺れに備えて大型家具の固定や、安全な場所で寝ることが大事だとした。また、停電でエアコンが止まることも想定されるといい、暑さ対策として水を入れたペットボトルを冷凍庫で凍らせておくことを勧めた。
災害救援NPOレスキューストックヤード(名古屋市)の栗田暢之代表理事は「この機会にあらためて備蓄品の確認をしてほしい」と話す。水や食料品は家族全員が3日〜1週間過ごすのに必要な量を確保し、すぐに持ち出せる場所に置いておくことが大切だという。(平井良信、中川耕平)