広島県知事あいさつがトレンドに 平和祈念式出席イスラエルを暗に批判、NHK映し続ける(2024年8月6日『日刊スポーツ』)

平和記念式典であいさつする広島県湯崎英彦知事(共同)湯崎英彦広島県知事(2022年7月撮影)

広島県湯崎英彦知事が6日、広島市で行われた原爆死没者慰霊式・平和祈念式であいさつした言葉が、SNSで大きな反響を呼んだ。「湯崎知事」は、インターネット上のトレンドワードにもなっている。

湯崎知事はあいさつの中で、自身が先日、多くの弥生人の遺骨が発掘されている鳥取県の青谷上寺地(あおやかみじち)遺跡を訪れた際、頭蓋骨や腰骨に突き刺さった矢尻などを目の当たりにした経験を語り「当時の争いの生々しさを物語る多くの殺傷痕を目の当たりにし、必ずしも平穏ではなかった当時の暮らしに思いを巡らせました」と述べた。

その上で、現世でも戦争が続いていることに触れ「現在も、世界中で戦争は続いています。強い者が勝つ。弱い者は踏みにじられる。現代では、矢尻や刀ではなく、男も女も子供も老人も銃弾で撃ち抜かれ、あるいはミサイルで粉々にされる。国連が作ってきた世界の秩序の守護者たるべき大国が、公然と国際法違反の侵攻や力による現状変更を試みる。それが弥生の過去から続いている現実です」と指摘した。

この言葉が述べられている間、NHKの映像は式に出席していたイスラエルのコーヘン駐日大使を、ずっと映し続けた。

SNSには「この言葉通りのことをし続けている国の大使。本来はここにいる資格が一切ない国の大使」「イスラエル呼んで正解だよ 呼んどいて直接嫌味言うの良かった湯崎さんGJ」「広島県知事、イスラエルを式典に呼ぶことには批判があったがなんと堂々と真っ向批判かましててすごい」「広島県知事『男も女も子どもも老人も銃弾で撃ち抜かれミサイルで粉々にされる、世界の秩序の守護者たるべき大国が、公然と国際法違反の侵攻』この演説中にイスラエル大使の顔をしっかりと映すカメラマン。そう『お前らに言ってんだよ』」「広島県知事スピーチ素晴らしいな。イスラエル大使にこの言葉をぶつけた意味は大きい」など、コメントが相次いだ。

湯崎知事の前には岸田文雄首相もあいさつしたが、SNSには「総理大臣より、広島県知事のお話の方が100倍しみました」「岸田さんのスピーチは最後まで何を伝えたいのか全く分からない気持ちのこもらないもので愕然としたけど、広島県知事のスピーチは自分の言葉で話していて、聞いていて体が震えるほどだった」などの声が寄せられた。