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“ワインおねだり”の斎藤氏
「同日、地元町長からの特産ワインの受領を認めた斎藤元彦兵庫県知事についての発言です。斎藤氏は、県幹部の男性がメディアや県政関係者に送付したパワハラ告発文書を巡り問題となっている渦中の人です。告発文書の内容を調査するために、県議会では法律に基づく強い調査権を持つ『百条委員会』が設置されています。そこで、斎藤氏が地元町長からワインを受け取っていたことが明らかになったのです」(社会部記者)
公開された録音データによると、斎藤氏は町長に対し、特産ワインを「ぜひ飲んでみたい」と語っており、実際にワイン2本を受け取り、自宅で飲んだことを本人が認めている。
斎藤氏は、日本維新の会の推薦を受けて当選している。維新のトップとして、吉村府知事は斎藤氏について「自分の言葉で発信、説明すべきだ」と語ったうえで、
「逆に報道機関のみなさんに聞きたい。これは知事の仕事の範囲を越えてるんですかね? しないほうが良かったんですかね?」
と記者に逆質問する形で“ワインおねだり”を擁護。さらに、
と、自身の経験を語った。これにはX上で多くの批判の声があがった。
《自分のお金で飲めばいい》
《もう見飽きた。斎藤と仲良く辞めろ》
《何を訳わからん逆ギレしとんの、この無能》
地元紙記者はこう解説する。
「斎藤氏は、音声データで『まだ私は飲んでいないので、ぜひ折を見てよろしくお願いします』とまで語っていますからね。『飲んでみたいな』という単なる感想とは全然違います。そもそも自腹を切って買えば済む話ですから」
それでも擁護するのには理由がある。
「昨年の兵庫県議選で、維新は神戸市内の全9区をはじめ、21議席を獲得しています。大票田の神戸市議も15議席を占めていて、兵庫は大阪府に次ぐ維新の拠点です。斎藤知事がこのまま辞任すると、今後は後継候補は出しにくいでしょう。すでに旧民主党系市長が立候補の準備を進めているとされ、2期目の推薦は不透明ですが、今、辞められるのは困るんでしょう。今回の“無理やり擁護”は党利党略ですよ」(前出・記者)
火に“ワイン”を注ぐのはやめたほうが……。
兵庫県議会は19日の調査特別委員会(百条委員会)で、斎藤元彦知事(46)によるパワハラや物品要求などの疑惑に関し、文書で告発した後に死亡した職員が生前に残した知事の音声データなどを調査資料として採用することを決めた。
このほか、真相解明に向けて、県職員を対象にしたアンケートを実施することを確認した。
告発した職員が生前に残した資料は、「死をもって抗議する」と記された本人のメッセージや斎藤氏の音声データなど。出張先の特産ワインに関する斎藤氏の「まだ飲んだことがない。折を見てお願いします」との発言などが録音されていた。
アンケートは、斎藤氏によるパワハラや物品要求を見聞きしたかどうかを問う内容で、8月上旬までに実施する方針。原則インターネットで回答し、記名、無記名のいずれも選べる形式とした。調査の集計、管理は外部の調査機関に委託する。県議会事務局によるとアンケートの対象職員は約9700人。
金子恵美氏
「出処進退は政治家本人が決めること」「パワハラの有無は大事だと思う。それによって、辞めるか辞めないかは関わってくる」と前置き。しかし「処分の仕方が、内部調査だけで済ませて、懲戒処分を受けた人が亡くなっているという事実は、パワハラの有無ではなくて、すごく重いこと。知事をよく続けてられるな、と個人的には思う」とパワハラ疑惑を告発した元県西播磨県民局長の男性が告発後に死亡したことへの見識を問うた。
その上で、「うそ八百って大見得切っていたのに、これだけいろんなことが出てきているというのは、ちょっと信じられないですよね」と呆れた。
元衆院議員の杉村太蔵氏も、懲戒処分を受けた元局長が、4月に公益通報窓口に知事のパワハラを通報していることについて、「公益通報者保護制度があるのに、告発した人が処分されるんだったら、なかなか告白できなくなる。どんなに告発しても立場が守られますよというのが制度の主旨なのに、いくら知事だからって、停職3カ月の処分をくだしたのは、知事の資質を問われても仕方がない」と同調した。
■ワインの受け取り認める「産業振興の一環」
百条委員会の委員長
「ご冥福をお祈りし、謹んで黙とうを捧げたいと思います」
この日委員会には、知事の疑惑を告発した元局長の男性が出席する予定でしたが、今月上旬亡くなりました。
委員会では、元局長が残した陳述書や音声データが公開されました。
斎藤知事とされる音声
「ワインをちょっとまだ私飲んでないので、ぜひまた…。この間はイチゴは、塩はあれですけど…。また折をみてよろしくお願いします」
音声データには、斎藤知事がおととし上郡町を訪れた際に、特産のワインを巡り「まだ私は飲んでいない」「折を見てよろしくお願いします」などと話している内容が録音されていました。この音声について、斎藤知事はこのように話します。
斎藤知事
「おそらく私の…やりとりだと思います。私が(自治体側から)頂き、飲ませて頂いたということは事実です」
ワインの受け取りを初めて認めた知事。記者の質問は続きます。