もしも広島級の原爆が東京・渋谷に投下されたら。
渋谷のスクランブル交差点で、スマートフォンのカメラをかざすと、実物大に近いきのこ雲が映し出されるアプリを使った作品を、核廃絶を目指す若者の団体「KNOW NUKES TOKYO(ノー・ニュークス・トーキョー)」などが制作した。米国による広島、長崎への原爆投下から79年となるのを前に、夏休みなどを利用して渋谷を訪れる人々にも核の恐怖をイメージしてもらうのが狙いだ。
作品の名称は「KNOW NUKES」。拡張現実(AR)の技術を使い、広島の原爆投下を記録した写真などを基に作成した3Dのきのこ雲が、実際の街並みに浮かび上がる。東大の渡辺英徳教授(情報デザイン)らが協力、監修した。AR作品を集めたアプリ「STYLY(スタイリー)」で9月末まで無料で閲覧できる。
◆被爆3世の21歳「祖父母の壮絶体験を再認識」
7月25日には渋谷のスクランブル交差点で体験会があり、10~20代の10人が参加。東京都出身で慶応大3年の中野翔太さん(21)は「被爆は遠い出来事のように感じていたが、身近な風景と重ねて見ると、とても生々しい」と驚いた。
渋谷のスクランブル交差点付近で、原爆投下の様子を再現した拡張現実(AR)作品を体験する若者ら