トランプ前大統領を眺めるJ・D・バンス上院議員
(CNN) 共和党の副大統領候補であるJ・D・バンス上院議員(オハイオ州選出)は2016年、ドナルド・トランプ氏が性的暴行を働いたと考えていると再三ほのめかし、あるテレビ番組では「双方の証言が食い違う」状況ではトランプ氏よりも告発者の1人のほうが信用できるとさえ示唆していた。
バンス氏は16年10月、トランプ氏の性的不正行為疑惑を扱ったMSNBCの番組に出演。番組では70年代に飛行機内でトランプ氏に体を触られ無理やりキスされたと告発したジェシカ・リーズさんへのインタビューが放送された。バンス氏は、リーズさんに関して否定するトランプ氏の発言は信じ難いと述べた。
しかし同氏は23年5月までに態度を一変させる。トランプ氏が元雑誌コラムニストのE・ジーン・キャロルさんに対する性的虐待で有罪評決を受けた直後、バンス氏は自身の「友人」であるトランプ氏を信じていると述べた。トランプ氏の支持を得て上院議員に当選してから約6カ月後のことだった。
バンス氏の広報担当者はCNNに対し、同氏が10年近く前にトランプ氏について投稿した内容やコメントは、政界入りして以来何度も取り上げられてきた古い話で、トランプ氏に対する現在の見解を反映していないと説明した。
バンス氏のトランプ氏擁護は、16年にトランプ氏が米テレビ番組「アクセス・ハリウッド」の収録中に女性についてみだらな発言をしている映像が流出した後の発言とは大きく異なるものだった。
バンス氏は同年10月、ツイッター(現X)に「@realDonaldTrumpは米国民の何パーセントに性的暴行をしたのか?」と投稿した。
CNNが確認したところ、バンス氏のXアカウントが「いいね」を取り消した投稿からは、同氏がトランプ氏を告発した人々やトランプ氏を「連続性的暴行者」と批判した人々を信じていることもうかがい知れた。