国会答弁の作成着手8分しか早まらず…河野行革相、質問通告「委員会の前々日までにいただけるよう改善必要」(2024年6月29日『読売新聞』)

 内閣人事局は28日、中央省庁の国家公務員が今年の通常国会で委員会の答弁を作り終えた時刻の平均は、委員会開催当日の午前0時48分だったとする調査結果を発表した。昨年の臨時国会での前回調査に比べて43分早まったが、未明まで残業が続く状態は変わらなかった。

 調査結果によると、議員が質問内容を伝える「質問通告」が出そろい、答弁作成に着手した時刻の平均は、委員会前日の午後6時18分で、前回調査に比べて8分早くなった。

 質問通告が委員会の前々日までに行われた割合は50・4%、前日午後6時までに行われた割合は93・1%だった。河野行政・規制改革相は28日の記者会見で、「委員会の前々日までに質問通告をいただけるような改善が必要だ」と述べた。

 こうした国会対応に加え、近年では経済安全保障やサイバー対策、デジタル改革など新たな行政需要も増えており、国家公務員の長時間労働は常態化している。政府は28日、負担軽減に向け、国家公務員の定員管理基準などを定めた政府方針を改定した。25年度から5年間での定員削減率を従来の10%から5%に引き下げることが柱だ。

 5年間の削減率は2004年度以降、10%に引き上げられたが、同局は「合理化の余地が乏しくなっている」としている。新たな方針では、長時間労働是正のために余裕を持った定員数の設定を可能とする規定を盛り込んだ。