◆自民関係者「国会議員に来られても…」
19日に北区王子の北とぴあであった戸枝氏の決起集会。約200人が出席。ホールの客席が満席になり、立ち見が出た。戸枝氏が北区の名所を歩く動画を放映し、地元密着とさわやかなキャラクターをアピール。北区の山田区長もかけつけ「後継として戸枝さんの挑戦をうれしく思う。北区の需要がわかる都議が必要」と応援した。
決起集会に臨む戸枝大幸氏(左)。自民党の著名な国会議員も駆けつけた=6月19日午後、東京都北区王子で
戸枝氏は「三つの果たすべき役割がある。都議会の情勢で、第一党を確保する。北区防衛隊の隊長として、議席を守り抜く。都区連携の事業を前に進める」とあいさつした。
壇上には東京選出の朝日健太郎、生稲晃子両参院議員の他、片山さつき参院議員ら「ビッグネーム」がずらりと並ぶも、全員が「今、自民党は大変厳しい状況」と口をそろえた。陣営関係者は「いまは、自民の現職国会議員に来られても、正直扱いに困る」とこぼす。
◆新会派7人「応援する」も中には…
派閥パーティーの裏金事件という逆風だけではなく、北区特有の事情もどう尾を引くか。自民区議団は11人いた最大会派だったが、山田区政への考え方などを巡り、分裂。戸枝氏を除く7人が抜けて新会派をつくった。集会には新会派の7人も出席し、戸枝氏と握手を交わした。7人は応援に回るが、中には積極的ではない議員もいるという。
区議を6期務める戸枝氏は、35歳の時に23区では歴代最年少で議長に就任という輝かしい経歴がある。都議選は2005年以来、2度目の挑戦だ。
自民は知事選で小池氏を支援するも、小池氏は都民ファを応援する側に回る。陣営関係者は「難しい問題だが、都議補選と知事選は別物と考えている」と話すも、小池効果は脅威だ。
◆「即戦力」メッセージを寄せたのは
小池氏の応援を受けるのは、都民ファの駒崎氏。昨年4月の区長選には無所属で挑み、7213票差で次点だった。2019年の区議選では、トップ当選を果たし、北区議選としては過去最多の得票数だった。
6月9日の決起集会には、支援者100人ほどが来場。区長選での惜敗をわび、「都と北区の架け橋となり、皆さんが安心して過ごせる社会を築き、子どもたちにワクワクする未来を手渡していけるよう尽力します」と語った。
◆告示後に期待がかかる小池知事の応援
知事選告示後は、小池氏の確認団体「東京をもっと!よくする会」として知事の応援に回っている駒崎陣営。ただ、ジレンマもある。配るチラシには駒崎氏の名も、小池氏の名もない。
26日朝、駒崎氏は王子駅前でボランティア3人とビラ配りをしたが、受け取る人はまばら。たすきをかけることも、名前を書いたのぼりも立てられなかった。
「謎のチラシですよね…」と苦笑した駒崎氏は、「なんのチラシかわからないので、なかなか受け取ってもらえない。制限が多く、何をしている運動なのか伝わらない。でもやらないよりはマシ。地道にやるしかない」ときっぱり。
小池氏が自民の支援を受けていることには「自主的に応援している分にはしかたない。止められることではない」。都議補選告示後は、小池氏が駒崎氏の応援に入る予定があるという。