「無理はせず、焦らず、着実に!福島からたくさんの恩返しと交流を」。東日本大震災で被災した福島県楢葉(ならは)町の子どもたちが能登半島地震で被災した石川県輪島市門前町への応援コメントを寄せたメッセージフラッグが22日、門前町の総持寺通り商店街に届いた。
◆手を取り合う楢葉と門前のキャラクター
楢葉町の地域学校協働センターで放課後に開くこども教室に参加する約70人が地域の復興と再生を願い、エールを記した。中央には手を取り合う楢葉と門前のキャラクターを描いた。
東日本大震災で震度6強の揺れと津波に襲われた楢葉町。東京電力福島第1原発事故で震災翌日には町外への避難を強いられ、立ち入れない期間が4年半続いた。9年前に避難指示が解除されたが、人口は震災前の半数程度にとどまる。
◆「支援されて当たり前」を払拭したかった
今回の取り組みは協働センター長の猿渡智衛さん(44)と福島大の藤室玲治・特任准教授が5月、能登半島の被災地を視察し、ボランティアをした際、総持寺通り商店街の住民と知り合ったことが縁。猿渡さんによると、楢葉町の復興に向けて各地から支援が集まり、町の子どもたちの中には「『支援されて当たり前』といった意識が根強くある」という。「支援する側になることでそうした意識を払拭することにつながれば」と企画した。
この日は猿渡さんが総持寺通り協同組合の代表理事の能村武文さん(66)にフラッグを手渡した。メッセージを読んだ能村さんは「復興が思うように進まない中、元気と勇気をもらいました」としみじみと感謝した。フラッグは仮設商店街が完成するまでの間、商店街にある沢田陶器店に飾る。(脇阪憲)
総持寺通り商店街について
令和3年、大本山總持寺は開創700年を迎えました。さらに同年、平成19年3月25日に発生した能登半島地震により壊滅的な被害を受けた總持寺祖院が、全国からの温かいご支援により復興工事も進み、完全復興いたしました。
寺と人と町が織りなす禅の里。總持寺通り商店街が皆様の旅の楽しい思い出を一緒に創れたら嬉しいです。ぜひお立ち寄りください。
能村 武文
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