「アンメット」最終回、ミヤビ&三瓶先生の“同棲”が尊すぎる(2024年6月25日『シネマトゥデイ』)

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最終回より三瓶先生(若葉竜也)とミヤビ(杉咲花
 杉咲花主演のカンテレ・フジテレビ系ドラマ「アンメット ある脳外科医の日記」(毎週月曜よる10時~)が24日に最終回を迎え、ミヤビ(杉咲)と三瓶先生(若葉竜也)の不安定ながらも愛に満ちあふれたつかの間の同棲生活に歓喜と涙のリアクションで沸いた(※一部ネタバレあり)。
 
 最終話は、主人公ミヤビに記憶障害がある設定をフルに生かし、怒濤の如く伏線が回収される展開に。初回で三瓶がミヤビに勧めたグミ、おそろいの人形、三瓶の亡き兄の思い出、アンメットの意味、ミヤビの好きな焼き肉丼など、これまで断片的に描かれた事象がすべてケープタウンでの出来事につながっていたことが明かされていった。
 最終話ではミヤビ(杉咲)が激しい頭痛に倒れて症状が悪化し、記憶が数時間しかもたなくなる状態に。脳梗塞が完成して命に関わるのも時間の問題という切迫した状況に陥る。開始5分から放送終了までSNSでは絶えず涙のリアクションが続いていたが、中でも視聴者の心をわしづかみにしたのが、三瓶が自宅療養するミヤビに付き添う形で同棲生活が描かれたこと。
 二人が寝食を共にする様子を目にする喜びがありながらも、ミヤビが極めて不安定な状態にあるため視聴者から「このまま続いてくれ…」「ずっと幸せでいて」「愛おしい時間」と切実な願いが寄せられた本シーン。ミヤビと三瓶の互いへの思いを劇的な音楽やセリフに頼らずに伝える演出、ドキュメンタリーと見まがうような杉咲と若葉の演技、まるでその場に居合わせるかのような臨場感あるカメラワークなどで視聴者をくぎ付けにした。
 ミヤビが三瓶に焼き肉丼を盛る器を「どっちがいいですか?」と尋ねたり、三瓶が目玉焼きを作ったりとありふれた時間がこのうえなく尊いものに思えるのはこの二人だからこそ。ミヤビお手製の焼き肉丼を口にした瞬間こみあげる三瓶、ベッドで眠る三瓶をいとおしそうに見つめ、ボロボロ涙を流しながら似顔絵を描くミヤビ……。ミヤビと三瓶が涙を流すたびにSNSでは涙の声であふれた。
 テーブルで眠りこけるミヤビをベッドに運ぶ際に、ミヤビの頭を優しく起こしてお姫様抱っこする三瓶の王子様ぶりも注目を浴びたが、その先に待ち受けていたのが三瓶がミヤビが残した手紙を読んで慟哭するシーン。三瓶の心を激しく揺さぶったミヤビの言葉はたったの二行。しかも、添えられていた三瓶の似顔絵がヘタだったことがミヤビの純粋さやけなげさを強調し、その後三瓶がミヤビの日記を読み、自身への思いを目の当たりにするくだりで「息ができない」「目からナイアガラ」「明日絶対目が腫れそう」と涙のピークを迎えた。
 ロスが叫ばれているが、杉咲は現在主演映画『朽ちないサクラ』が公開中、若葉は第77回カンヌ国際映画祭で5分以上続く熱烈なスタンディングオベーションが贈られたという『ぼくのお日さま』が9月に公開を控えている。(石川友里恵)
 

『アンメット』最終回“南アフリカ編”に騒然 壮大な伏線回収…タイトルの“答え”・グミ・人形・コロナ?(2024年6月25日『オリコン』)
 
 
ドラマ『アンメット ある脳外科医の日記』最終話より(C)カンテレ
 俳優・杉咲花が主演を務める、カンテレ・フジテレビ系月10ドラマ『アンメット ある脳外科医の日記』(毎週月曜 後10:00)が、きょう24日に最終回(第11話)を迎えた。
【最終話カット多数】南アフリカですべて始まっていた…ミヤビ&三瓶の出会い
 同作は、講談社『モーニング』で連載中の同名漫画(原作・子鹿ゆずる/漫画・大槻閑人)を実写化。“記憶障害の脳外科医”川内ミヤビ(杉咲)が患者を全力で救い、自身も再生していく医療ヒューマンドラマ。
 ミヤビは、事故の後遺症で過去2年間の記憶を失い、今日(きょう)のことも明日(あした)には忘れてしまう。毎日日記をつづり、朝に読み返す日々。丘陵セントラル病院で看護助手として働いていたが、アメリカ帰りの医師・三瓶友治(若葉竜也)が赴任してきたことから、再び脳外科医としての道を歩みはじめた。
 前回の第10話までに、記憶障害の原因は、脳の中の「ノーマンズランド」(医学的に人がメスを入れてはならない領域)にあり、手術を成功させるには「ノーマンズランドにある0.5ミリ以下の血管を2分で縫う」ことが必要だと判明。三瓶は諦めず、綾野(岡山天音)、星前(千葉雄大)、そして大迫(井浦新)も知恵を絞り…。そしてミヤビが倒れた。
※以下ネタバレあり
 最終回では、意識を失ったミヤビを助けるため、『アンメット』“アベンジャーズ”が集結し、緊迫の手術シーンが描かれた。一方で割かれたのが、ミヤビと三瓶の2人の時間、過去の出会いだった。
 2人の出会いは、南アフリカケープタウンでの国境会議。ミヤビは「関東医大の川内と申します。受賞おめでとうございます。三瓶先生が照らす世界、これからも見たいです。スピーチすごく素敵でした」とあいさつ。その後日談があった。新型のウイルスが見つかり、三瓶が感染、ミヤビが婚約者だと言って付き添ったことが明らかに。視聴者は「ええー!! 嘘から始まったんだ、、、」「コロナ、、?」などと騒然。
 さらに、タイトルの『アンメット』に込められた思いも、あらためて説明された。隔離された暗い部屋で、三瓶はろうそくの横に紙で作った筒を置いて照らし、「光を当てると影ができます。アンメット、直訳すると、満たされないという意味です。できた影に光を当ててても、また新しい影ができて、満たされない人たちが生まれる。どうすれば、くまなく照らして、アンメットをなくせるのか、その答えを探しています」と語った。
 このシーンは過去にも描かれてきたが、それに対してミヤビが示した“答え”
はよく見えていなかった。ミヤビは、筒でろうそくの周囲を覆ってみせた。影は消え、淡い光が広がった。
 三瓶は「僕と結婚してくれませんか?」とプロポーズ。ミヤビは「はい」と答え、なんと“交際0日婚約”。さらに、お腹が空いたという三瓶に、ミヤビがグミを渡し、2人で食べた。「咀嚼のように一定のリズムで同じ運動をくり返すと幸せホルモンというセロトニンが分泌され、幸せになります」と説明したのミヤビだった。このグミは後日、ミヤビの前で三瓶が好んで食べていたものだった。
 また、劇中で印象的に飾られていた「ンデベレ人形」は南アフリカで購入したものだと明らかに。ミヤビと三瓶がつかの間の同棲をする中で、2体が仲良く並んだ。
 「南アフリカ編」ともいえる怒とうの展開に、視聴者は「まさか三瓶先生じゃなくてミヤビちゃん始まりだったなんて」「伏線回収えぐすぎ」「これが本物の…伏線回収ってやつか…」「まさかこんな壮大な愛の物語になるとは」など、大反響となった。