石丸伸二氏
果たして“台風の目”になるのか──。7月7日に投開票が行われる都知事選に、広島県安芸高田市の前市長・石丸伸二氏(41)は立候補を表明した。そして石丸氏が6月15日にボランティアの説明会を開催すると、少なくとも約1000人が会場に押し寄せたという。後援会はXに盛況を報告し、《風を感じざるをえません》と記した。
大手メディアは都知事選を、現職の小池百合子氏(71)v.s.対立候補の蓮舫氏(56)という構図で報じている。だが石丸氏の説明会を撮影し、取材したカメラマンは「会場の熱気が物凄く、圧倒されました」と振り返る。
「石丸さんの選挙カーがビルの横に駐車しており、その近くに長蛇の列ができていたのが取材のきっかけでした。見てみると、係員が『石丸伸二ボランティア説明会』と立て札を持っていたのが分かったので、私も会場に入りました。取材は自由との許可をもらって撮影を始めたのですが、本当に人がいっぱいで“立錐の余地がない”という表現がぴったりでした」
石丸陣営の関係者も「300人ぐらいしか来ないと思っていた」と驚いていたという。あまりに希望者が多いため急遽、説明会を2回に分けることで対応したようだ。
ちなみに、ネット上では1500人が訪れたとの投稿もあるが、石丸氏の後援会はXで1000人と発表している。
「参加者の年齢層は幅広かったとはいえ、やはり40代から50代の男女が中心です。男女比は半々ぐらいで、性別の偏りがあるようには見えませんでした。制服を着た女子高校生もいたので取材をお願いすると、18歳なので選挙権を持っているんです。スマホの待ち受け画面が石丸さんになっていて、『推しです』と言っていました。石丸さんに期待する人がこんなにいるんだ、と驚いたというのが正直な感想です。考えてみると、会場に駆けつけた人たちは小池さんや自民党といった“古い政治”に嫌気が差しているのでしょう。となると、蓮舫さんは石丸さんに相当、票を食われるだろうな、と思いました」(同・カメラマン)
ドトールコーヒーとの関係
藤川氏は大勢の聴衆を前に自己紹介し、「ウィキペディアには『選挙の神様』と書いてある」と冗談を飛ばすと──そのような記述があることは事実だ──会場はドッと沸く。
そして「あの有名なドトールコーヒーの鳥羽会長から電話いただいて、会長が『いい男がいる。選挙を手伝ってくれ』と言われて」石丸氏のサポートをすることになったと説明した。担当記者が言う。
「鳥羽会長とは、ドトールコーヒーの創業者として知られる鳥羽博道氏(86)のことです。鳥羽氏は1962年にドトールコーヒーを創業、2000年には東証一部(現・東証プライム)に上場を果たしました。2006年に名誉会長に就任し、経営の第一線からは退いています。とはいえ、ドトール・日レスホールディングスの大株主ですから資産家であることは言うまでもありません。藤川氏の説明によると、鳥羽氏は安芸高田市長時代に配信された石丸氏のYoutube動画を見て感動。手紙を送ったことで二人は親交を持つようになったそうです」
鳥羽博道氏
「日本を変えられる好機」
藤川氏は多数の選挙をサポートし、多くの国会議員や首長を生み出してきたと言い切った上で、「はっきり言って税金泥棒も作ってきた」と自虐的に総括。だからこそ石丸氏と出会えたことは「人生最後のご奉公」、「神様が与えてくれた場面」と持ち上げてみせた。
そして真打ち登場というイメージで石丸氏が登場。まずは「下の様子を見に行ってきまして、長蛇の列。東京なので『また新しいドーナツ屋さんができたのかな?』と思いました」と冗談を口にして会場を沸かせた。
石丸氏は「かなり大きいホールを借りたので『埋まるかなあ』と心配をしていた」と笑顔を浮かべた上で、「皆さんの思いをうまく力に変えていきたいというのが私の願いです」、「皆さんの力で色々なものを動かしていきましょう」と聴衆に向かって呼びかけると、盛大な拍手が送られた。
その後は石丸氏本人が要領よく、ボランティア活動の説明を行った。コンプライアンスの徹底や、楽しんでSNSに投稿することなどを依頼。最後に日本の政治について「この体たらく」と厳しく批判し、聴衆に向かって「皆さんも忸怩たる思いだったのではないか」と呼びかけた。
石丸氏によると都知事選は「日本を変えられる好機」なのだそうだ。
「私たちに残された時間は限りがあり、一番、最短のルート、最速の方法で解を求める。東京都を動かすのが一番効率的で効果的」
都知事選で日本を変えると宣言し、「ぜひ皆さんの力で東京を動かして、日本を動かしていきましょう」と言って一礼すると、再び会場から拍手が沸き起こった。
デイリー新潮編集部