他陣営の前に立ち、声を出すつばさの党代表の黒川敦彦容疑者=4月16日、東京都江東区で
4月の
衆院東京15区
補欠選挙での
政治団体「つばさの党」による選挙妨害事件で、
公職選挙法違反(自由妨害)の疑いで逮捕された党代表の黒川敦彦容疑者(45)が13日、
東京都知事選(
20日告示、7月7日投開票)に立候補する声明文を発表した。党代表代理を務める埼玉県
朝霞市議の外山麻貴氏(52)が都庁で会見して説明した。
◆選挙妨害事件「今まで合法」と一連の行為を正当化
外山氏は会見で、「私、黒川敦彦は、逮捕され、今、投獄中の身で、立候補しています。われわれの行為は、今まで合法とされてきたもので、実際の選挙の現場では無数に行われてきた行為。日本は残念ながら『権力者の気分で逮捕される国』で、
表現の自由はありません」と、黒川容疑者の声明文を読み上げた。
外山氏は「電話ボックスに登ったり、乱暴な言葉遣いになってしまったり、やりすぎた面が多々あった。党の代表代理としておわび申し上げたい」と謝罪。その上で「暴言や電話ボックスの場面が切り取られて報道されている。なぜここまで乱暴なことをやったか。それは政治家がうそつきだからだ」と説明した。
「
小池百合子知事の
学歴詐称問題など、
有権者の方が聞きたいことを私たちは代弁しに行っている。きれいごとの公約を聞くより、アンチと呼ばれる人からの厳しい指摘に政治家が答える、その答えにこそ本質が見えてくると訴えて、逮捕されるかもしれない危険を冒してでもやった」と話した。
◆街頭での他陣営への「質問」またやるのか
黒川容疑者は勾留中。有罪が確定して
公民権が停止されない限り、勾留中でも選挙の立候補は可能で「獄中立候補」とも呼ばれる。ただ、テレビやラジオの「
政見放送」には出演できない。外山氏は「(黒川容疑者は)おそらく期間中は出てこられないと思う。もう1回くらいは再逮捕されるのではないか」との予測を示した。
外山氏は、知事選について「基本的に逮捕されないように、今まで私たちつばさの党がしてきたような主張、前向きな活動をやっていくつもりだ」と話した。
他の候補者の演説会場の近くに「凸る(突撃する)」ことは控えるのかと問われると、「どういう活動をするかは現場を見ないとわからないが、拡声器を使わずに質問をしに行く行為までおかしいと言われる道理はない。そういう行為を必要があったらするかもしれない」と述べた。
つばさの党から15区補選に出馬し、
公選法違反容疑で逮捕された党幹事長の根本良輔容疑者(29)も知事選出馬の意向を示していたが、準備が難しいとの理由で出馬しないという。
つばさの党による選挙妨害事件では、警視庁捜査2課が5月17日、
衆院東京15区補選が告示された4月16日に無所属新人の
乙武洋匡氏陣営の街頭演説を大音量の暴言などで妨害したとして、
公職選挙法違反(自由妨害)容疑で、黒川容疑者と根本容疑者の他、同党幹部杉田勇人容疑者(39)の3人を逮捕した。
6月7日には、当選した
立憲民主党の酒井菜摘氏陣営の選挙活動も
選挙カーで追い回すなどして妨害したとして、同容疑で3人を再逮捕した。
東京地検は7日、同法違反罪で3人を起訴し、勾留が続いている。
都知事選 立候補を表明…「つばさの党」の活動拠点を取材 “妨害行為”繰り返すワケとは(2024年6月13日)
7月7日に投開票される東京都知事選挙。選挙妨害事件で逮捕された「つばさの党」の代表が、13日に立候補を表明しましたが、悪質な行為が繰り返されるのではないかと警戒されています。なぜ、過激な活動に至ったのか。「つばさの党」が集団生活を送っている活動拠点を取材しました。
◇ 出馬表明から一夜明けた13日。小池都知事は“戦闘服”ゆりこグリーンに身を包んでいました。
――グリーンの装いですが何か意図は?
小池知事 「毎日楽しんでいます」 都知事選へ、早速動き出しました。登庁前、SNSには、ある動画を投稿。「AIゆりこ」がお届けする、これまでの都政の取り組み。生成AIを利用した動画です。
小池知事 「今、私公務で毎日励んでいるため時間的な制約もありますので、AIゆりこからお伝えするという形。次々に打ち出していくつもり」 小池氏、本格参戦です。
◇ 告示まで1週間。過去最多の候補者が予想されている、東京都知事選。
蓮舫 参議院議員(13日) 「ちょっとだけ先に国会を卒業します。首都東京のトップとなって、皆さんと一緒に国をよくしていきたいと思っています」
13日に立憲民主党の若手議員と意見交換を行った蓮舫氏や、広島県安芸高田市の前市長・石丸伸二氏、元航空幕僚長の田母神俊雄氏ら40人以上が立候補を表明する中… 13日に新たに立候補を表明したのは、あの政治団体です。 つばさの党 代表代理(13日 午後2時頃) 「つばさの党の黒川敦彦が、勾留中でございますので、代理で立候補表明したいと思います」 「つばさの党」といえば…
つばさの党 黒川敦彦代表(今年4月) 「おい小池ー! おい、都知事ー!」 つばさの党 根本良輔容疑者 「あ、蓮舫蓮舫! Uターン! Uターン!」「立憲偽善者へいへいへーい」 今年4月の衆議院東京15区の補欠選挙で“大暴れ”した政治団体。その後、代表の黒川敦彦容疑者ら3人は他の候補者の演説を妨害したなどとして逮捕されています。 3人は現在も勾留されていますが、また、大暴れとなるのでしょうか。 都知事選でも警視庁が警戒を続ける「つばさの党」。その活動拠点は、練馬区にある一軒家です。捜査関係者によると、スタッフらはここで集団生活し、役割分担して組織的に活動していたとみられています。
◇ 私たちは12日、この一軒家を取材しました。
つばさの党 代表代理 「こちらがシェアオフィスになっているところ」 部屋の中では、男性2人が作業をしていました。1人はつばさの党の事務局次長。もう1人は、団体とは関係ないといいます。 つばさの党 代表代理 「シェアハウスの社員寮みたいな形で、つばさの党員の人も住んでいるけど、つばさの党員じゃない人も住んでいる」
家事も分担しながらの集団生活。 つばさの党 代表代理 「以前は週に1回くらいライブ配信をここからやっていた」 つばさの党は、なぜ妨害行為に至ったのか。 つばさの党 代表代理 「駅前で街宣する、チラシ配る、普通の活動やっていたら、なんの影響もない。なにも取り上げられない。真面目にやっていても注目されないという面はあったんじゃないか」 「3人は明らかにやりすぎたという面はあった。きちんと反省して、変えていかなきゃなとは思う」 ――今後の戦い方は? つばさの党 代表代理 「同じようなことしたらまた逮捕されますよね。だからするわけないじゃないですか。突撃とかはしません」 担当者は、都知事選では妨害行為はしないと話しましたが… 代表の黒川容疑者は13日の声明で「あなたたちも腐りきった政治家たちに凸すべき」と主張しています。 都知事選は、来月7日に投開票が行われます。