都知事選 政見放送10時間超えも 立候補者過去最多更新は確実 最多で48人分 どうするポスター掲示板(2024年6月12日『スポニチアネックス』)

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都知事選立候補者数の推移

 7月7日投開票(20日告示)の東京都知事選で40人が事前審査を済ませたことが11日、東京都選挙管理委員会への取材で分かった。過去最多の立候補者数だった前回、2020年の22人を更新することはほぼ確実。これに伴い政策などを伝える政見放送も、のべ10時間を超える異例の長時間放送となる可能性が出てきた。

 都選管によると、10日午後5時時点で68人が立候補に必要な書類を受け取った。このうち、事前審査をすでに済ませた40人は、告示日にスムーズに届け出ができるように選管から書類などの確認を受けており、前回選挙の倍近い立候補者数となる見込みだ。

 政見放送は候補者1人あたり、5分30秒以内という決まりがあり、候補者の経歴を紹介する経歴放送も30秒という上限がある。NHK総合では、各候補者の経歴放送と政見放送をセットで2回ずつ、経歴放送のみを1回流すことになっており、1人あたりの放送時間は最大で12分30秒。40人では計500分、のべ8時間20分となる。1人を選ぶ首長選挙としては異例の長さだ。

 書類を受け取ったものの、事前審査を済ませていない28人も立候補予備軍。半数近くが立候補し、仮に50人になったとして計算すると、政見放送は最大で計10時間25分という驚きの時間になる。また、街中に設置される掲示板に貼ることができる選挙ポスターの枚数は最多で48人分のため、都選管は対応に追われそうだ。

 NHKでは16日から政見放送の撮影がスタートする。放送の順番は告示日にくじ引きで決める。同局関係者は「これまで再放送枠を削って放送するなどしてきたが、4月からその枠で新たに生放送番組が始まった。どの番組を削るのか編成は頭を悩ませている」と実情を明かした。

 政見放送NHKのほか、テレビはTOKYO MXが放送。ラジオはNHKラジオ第1のほか、選挙ごとに民放1局が持ち回りで流すことになっており、今回はTBSラジオが放送する。

 12日には小池百合子知事が立候補を表明する予定。今後も出馬を表明する候補者が出てくる可能性もあり、七夕の“首都決戦”は混迷を極めそうだ。 (佐藤 昂気)