iPhoneに「チャットGPT」搭載へ 米アップル社 今年後半から(2024年6月11日『毎日新聞』)

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米アップルの本社=米西部カリフォルニア州クパチーノで2023年11月18日、大久保渉撮影

 米アップルは10日、人間と対話しているように自然な受け答えができる人工知能(AI)「チャットGPT」を、iPhone(アイフォーン)の基本ソフト(OS)「iOS」などに搭載すると発表した。今年後半から利用できるようになる。自社で独自開発した生成AIシステム「アップルインテリジェンス」も発表し、マイクロソフト(MS)やグーグルなどに後れをとっていたAI戦略で巻き返しを図る。

 同日の年次開発者会議で発表した。搭載するのは、米新興企業「オープンAI」が開発した最新の大規模言語モデル「GPT―4o(フォーオー)」。利用者が質問するとアイフォーンの音声アシスタント「Siri(シリ)」を通じて回答してくれる。文字入力での受け答えも可能。

 チャットGPTは、2022年11月の公開から2カ月で1億人の利用者を集めるなど現在の生成AIブームの火付け役。MSの多くの製品にも組み込まれている。

 独自開発したアップルインテリジェンスでは、メールなどの文章の修正やオリジナルの絵文字を作れる機能を設けた。友人からチャットで送られてきた住所をアドレス帳に加えるよう指示できるなど、シリの性能も向上させた。ティム・クック最高経営責任者(CEO)は「強力な新機能でゲームチェンジャーになる。アップルインテリジェンスは、私たちの製品にとって必要不可欠なものになる」と述べた。【ワシントン大久保渉】