プロダイバーが水中清掃したら…2時間でごみ1トン超! 沼津のマリーナからバイクや便座も(2024年6月9日『東京新聞』)

 
水中清掃に取り組んだダイバーたち

水中清掃に取り組んだダイバーたち

 静岡県沼津市馬込のマリーナで3日、プロダイバーたちが水中清掃を行った。普段は見過ごされがちな場所からは、たくさんのごみが引き揚げられた。持続的な活動にしたいと、環境活動団体が「有償ボランティア」の形で取り組んだ。
 プロダイバーたちがマリーナの水深約4メートルの岸壁沿いに潜り、ごみを引き揚げていく。瓶、缶、便座、船のエンジン、バイク…。「けっこう大物だな」。ダイバーから思わず声が漏れる。海の底のごみを発見し、岸壁から垂らしたロープに結び付けるなどして陸に揚げた。午前と午後の1時間ずつの活動で、計1トンを超えるごみが集まった。
海に沈んでいた便座を引き揚げるダイバー=いずれも沼津市馬込のマリーナで

海に沈んでいた便座を引き揚げるダイバー=いずれも沼津市馬込のマリーナで

 企画したのは、環境活動団体「MORE企画」(伊東市)。「伊豆半島一掃!海と日本プロジェクト」と題して、見過ごされがちだったダイビングポイント以外での清掃活動を始めた。
 MORE企画は「Mountain(山)」「Ocean(海)」「River(川)」「Earth(地球)」の頭文字を取った2021年設立の団体。海での清掃活動のほか、山での不法投棄回収活動などに取り組んできた。代表の白井ゆみさんが「富士ボーティング」の岩崎正芳社長と知り合い、マリーナなどでの清掃活動に一緒に取り組むことになった。伊豆半島で活動するプロダイバーたちに協力を依頼。隣接する静浦漁協も人手や重機を出すなどして協力した。
水中清掃で集まったごみ(MORE企画提供)

水中清掃で集まったごみ(MORE企画提供)

 日本財団や地元企業から助成を受け、プロダイバーたちは有償ボランティアという形に。海も陸もごみだらけの惨状を知るにつけ、ボランティアの「やる気」だけに頼ることなく、持続的な活動にしたいとの思いからだ。白井さんは「皆さんと協力して、持続的に進めていきたい」としており、さらに協賛を募っている。(佐藤大