都知事選で連敗脱出目指す 自民、小池氏の支援模索(2024年6月3日『時事通信』)

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【図解】主要政党の都知事選動向
 20日告示される東京都知事選(7月7日投開票)で、自民党は国政・地方選挙での連敗から脱出したい考えだ。独自候補の擁立は見送り、3選を目指す小池百合子知事を支えて「白星」をもぎ取る戦略を描く。ただ、立憲民主党蓮舫参院議員が有力な対抗馬として参戦。小池氏が派閥裏金事件に揺れる自民の支援を受け入れるか不透明だ。

 

 

 「東京は日本の首都。非常に大事な選挙だ」。自民党森山裕総務会長は5月28日の記者会見でこう強調した。
 国内最大の地方選である都知事選攻略のカギを握るのは候補者の知名度だ。自民に有力な選択肢は見当たらず、萩生田光一党都連会長は早い段階から小池氏との連携を模索してきた。
 自民は最近の国政・地方選挙で負け続きだ。4月の衆院補欠選挙は不戦敗を含めて全敗し、5月の静岡県知事選で推薦候補が敗北した。神奈川県小田原市長選や都議補選でも敗れた。党内には「首都決戦まで落とせば大変なことになる」(閣僚経験者)と危機感が募っており、小池氏と連携して黒星を食い止めたいのが本音だ。
 自民は都議会の最大会派で、その組織力は「平時」なら小池氏にとって魅力だ。しかし、自民は現在、裏金事件を巡って世論の批判にさらされている。「反自民政治、非小池都政」を掲げる蓮舫氏は自民への逆風を自身の浮揚力に変えようとしており、「自民の支援はかえって小池氏にマイナス」(党関係者)との見方も強い。
 こうした情勢を踏まえ、自民内では「小池氏は推薦は受けないだろう」(中堅)と悲観論が拡大。重鎮は「小池氏は推薦に満たない支援も嫌がる」と指摘する。関係者は「水面下で支援すればいい」と語るが、その場合、小池氏が仮に勝っても自民の勝利と国民に映るとは限らない。
 当の小池氏は既に立候補の意向を固めているものの、出馬表明には踏み切っていない。5月31日には首相官邸を訪れ、岸田文雄首相(自民総裁)と「金融・資産運用特区」について意見交換。この後、記者団に「国と連携しながら進めたい」と語ったが、知事選には言及しなかった。